聡side
はい、いつも通り準備が遅いあなたちゃん
まだですか~、ってがまんがまん。
待ちに待った夏祭り。
今日くらいは待っててあげよう。
やっさすぃー、俺。笑
あなた︰お待たせ!
目の前には、紫の浴衣姿に、花の髪飾りをあしらった、もうお姫様すぎるお姫様が立ちはだかる←
あなた︰聡ちゃん…?
なんて首を傾げる君。ごめんあなた
足を早める。
あなた︰えっ、ちょ ちょっと!
俺は無言でお祭り会場から離れていく。もちろん、右手には君の綺麗な手。
あなた︰そ、聡ちゃんってば!どうしたの?
俺︰帰ろっか
あなた︰そんなに私と歩くのいや?可愛くないから…
俺︰そうじゃなくて、かわいすぎるから…。ほかの男に見せたくないの、わかった?
なんて、もう嫉妬をさらけ出した俺は、今、間違いなく赤面だ。
あなたを見ると、俯き、こくん と頷く
俺︰もうちょっと可愛くなければ、あなたとお祭り行けるのに
あなた︰それどういうこと笑
笑い合いながら帰る俺らの影は、仲良さそうに手を繋いでいる。
後ろの方で花火が上がった音がした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。