あなたside
あなた︰ねぇ、あっつい…
聡ちゃん︰聞こえなーい
あなた︰まだ寝てないの…
聡ちゃん︰うん、ずっとあなたの顔見てた
あまりの暑さに目覚めた私は、抱き着いてくる聡ちゃんを引き剥がすのに必死。
あなた︰エアコン温度下げて
聡ちゃん︰俺は普通なのー
と言いながら、リモコンに手を伸ばす私の手を引き戻し、絡めてくる。
抱き締める力も強くなって、足を絡めてきた
けど、私は眠気の方が勝った。
聡ちゃん︰((ちゅ
かーわいい
あなた︰ん、
曖昧に返事をすると聡ちゃんがイタズラしてきた。
私の上唇と下唇を、交互にはむはむとしてくる
なんの反応も示さない私はやられっぱなしだ。
聡ちゃん︰んねぇ、寝たの~?
聡ちゃんの小さくて低い声が聞こえる。
やがて諦めたのか、鼻をすりすりしてきて、ここで私の記憶は途切れた。
朝、起きると聡ちゃんと私のくちびるがくっついていた。
まさか無意識でしてたわけじゃないよね。笑
そんなかわいい発見を見つけたのは私だけの秘密。
さて、朝ごはんを作りますか。
カーテンを開ける。
そこには
いつも通り、いや、いつもより優しい光が
私たちを包んでいた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。