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あなたの母side
母の部屋…
みんなの話を聞いて気が付いた。
私はあの子の事を、何も知らなかった。
知っているつもりだっただけだ。
優しい子だとは思ってたけど、ここまで優しいのは知らなかった。
人に迷惑かけるのが嫌いな事も。
昔から共働きで、
あまり構ってあげられなかったからだろうか?
という事は、虐められているのを私に言わなかったのも。そういうことなんだろう
私は母親失格なのかもしれない
娘の相談役にもなれずに、1人で苦しませて
16年も見てきて、知らない事も多くて。
娘の想いも知ったつもりになって
自分の意見を通したくて争って、傷つけた。
あの子を産んで、初めて見た時
目に入れても痛くないとはこの事だって分かった。
よくケタケタと笑って、はしゃいで、沢山泣いて。
疲れなんか吹き飛んで、ただ一緒に居られることが何よりの幸せで。
辛くても苦しくても、あの子が。
あなたが居てくれたから私はここまで頑張れた
今だって、沢山助けられて
沢山の笑顔を私にくれた天使みたいな子。
母親失格の私が、こんな事はわがままかもしれないけど
いや、わがままでは無い。
私の宝物を
まだ失いたくない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。