だからといって
2人きりにはならなかった
隣にはいつもハルがいた
わたしの親友として
マサイくんの彼女として
文化祭の看板作り
楽しいのは楽しいけど
欲張りになる
マサイくんといたい
なんてね…
下唇をグッと噛む
こんなこと考えるのはやめよう…
そう思っていると
マサイくんがスッと立って
よし!
あとはあなたちゃんと
2人でするから
ハルは先に帰ってて
って言った
え?とハルは驚く
当たり前だ
わたしもとっさに
じゃぁさ
みんなで終わりにして
一緒に帰ろうよ?
って伝えた
でも マサイくんは
いや、実行委員の仕事だから
2人でやらなくちゃ
実行委員の意味ないじゃん
って なかなか折れなかった
はいはい、了解!
ちょっと不機嫌になって
じゃぁ、また明日ねって
ハルは帰って行った
沈黙が続く
ダメだよ
彼女怒らせちゃ
って言うと
大丈夫
いつもあんなんだから
って マサイくんは笑った
文化祭が終わったら
ちゃんと埋め合わせしてあげてね
って言うと
マサイくんは小さく
そうだねって言った
2人きりにはなれたけど
ハルのことが気になって
仕方がなかった
しばらくすると
LINEが鳴った
ハルからだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。