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第6話

任務【中編】
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2018/05/15 14:08
「ゴホゴホッ」

「其れは喘息?」

「貴様には関係無い。」

そう言ってまた咳をする芥川。

関係無く無いんだけど、と思いながら

建物の屋上から港を見渡した。

異国の大きな船が1つと近くにターゲットである

人物らが二人。

「梶井はまだか」

隣に来た芥川が不機嫌そうに言う。

今は梶井が動くまで待機中なのだが中々合図の檸檬

爆弾が爆発しない。

「爆弾仕掛けてるんじゃない?」

「ふん・・・喉が渇いた。」

「は?」

「?喉が渇いたと言っている」

「・・・買って来いと?」

「物分りが良いな。」

「良いとか言ってない( '-' )」

「いいから早く行・・・ゴホゴホッッゴホ!!」

激しく咳き込む芥川を見てため息混じりに行った。

「はぁ・・・買ってくるから待ってて。」







――――ガコン――――

自販機から落ちてきた飲み物を拾う。

冷たい容器に大きく書かれたお茶と言う文字を

ぼうっと見つめた。

――――その異能は俺の為に使うんだぞ――――

――――出来損ないのお姉ちゃんでごめんね――――

「・・・っ」

昔のことを思い出しお茶を握る手に力を込める。

あの時、私が刃向かっていれば。

あの時、私が強ければ。

姉を亡くすことは無かった筈だ。

姉を・・・

――――ドガーン!!――――

「!?」

突然のけたたましい音により一気に意識を戻された。

今の音・・・間違いない。

任務が始まったのだ。

私は急いで先程の場所へ向かった。

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