「尾崎君が探偵社に捕まってしまった様だ」
首領がいつもの様に言い放つ。
「あ、姐さんが・・・?」
戸惑いを隠せない中也さんを横目に
「救助に行きますか?」と尋ねると少し黙った後に
「よし!探偵社の首領を殺そう」
とひらめき顔で物騒なことを言った。
「あと、中也君には探偵社へ伝言を伝えに行ってもらって君と芥川君と梶井君はギルドの二人の相手を頼むよ」
「芥川をもう出すんですか?」
「不満かね?」
「退院して日が浅いので疑問に思っただけです」
「彼なら大丈夫だよ。其れとも心配かい?」
「いえ真逆。」
反射的に声が出た。
「ふふっ、良い報告を待っているよ」
「はい」
「了解」
そう言って中也さんと私は頭を垂れた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。