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第4話

小沼 蘭
母は言った。
「私が死んでも蘭だけは…蘭だけは、幸せになってね。優しくて賢くて悪口を言わない、とってもいい子になってね……私は天国から見守ってます。」
旅立った。母はもう帰って来ない。

7:45朝食
「お父さんおはよう」
「……」
いつも返事を返してくれない。声を聞いたのは…どれ位前だろう。
チーン
「お母さん、行ってきます。」
8:15登校
「……」
「おっはっよ〜!」
「りなっちおはー!」
そのりなっちとやらの背後に僕がいるのもみんなには見えていない。空気のような存在だから。
8:30授業開始
「おはようございます。」
「「「おはようございます〜」」」
……
「では授業開始しましょうか」
「今回は、~の~について問題を解説していきます。」
「……」
この問題はもう予習済みだ。いい子になりたいから。
「次の質問を…小沼さん」
「はい…五分の四です」
「はい、正解です。みんなも小沼さんのように勉強を沢山しなさいね〜。」
僕のようにみんな勉強していたらガリ勉クラスになってしまいそうだ。とふと思う。
「……」
13:00昼休み
「えーwその話ほんと〜?wすっごい面白いんだけどww」
「でしょーwwガチで面白かったwww」
という感じの会話を小耳に挟みながらご飯を食べる。
誰とも一緒に食べないので黙々と食べてしまう。
「…………」
……僕の弁当は不味い。改めてそう思った
13:45授業再開
「この文法は〜で使って下さい。では~の問題を解きましょう。」
「……」
15:05掃除
「あー、小沼くん?あのー、申し訳ないんだけど掃除当番変わってくれんかな?えっと…ちょっとバイトでさ…」
「……分かりました」
「ありがとー。いや、ほんとごめんね(棒)」
「いえいえ…」

˹ んじゃカラオケ行こーぜ!!˼
そう遠くから聞こえてきた。
…………
僕は母が死んで以来ほとんど喋ることが無くなった。母が思う『いい子』にならなければいけないから。
母の言葉は僕を呪いのように締め付ける。母が自分の気持ちを押し付けるように。
母の天国で見てるねは監視してるからいい子にしてなさいという意味でしか読み取れかった。

掃除が終わったところで先生に呼び止められた。
「あー。ちょっと小沼!手伝って欲しいものがあるんだけどいいかな?」
「…了解です。」
「いやー、ほんとに小沼は真面目でいつも優秀だな。」
「……ありがとうございます」
いい子にならないといけないから。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「相談いつでも乗るからなー!」
そう言って先生は行ってしまった。

15:45下校
…………
地面に不格好にチューリップが置いてある。
久しぶりに興味が沸いた。
花びらを触ってみると……
僕が
空気になってしまった
      ような気がした……