第16話

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5,863
2020/08/16 15:13
その日も、また次の日もグクの帰りは遅かった









私は最近グクの様子がおかしいことを2人に相談してみた




イェナ
イェナ
それでそれで?
(なまえ)
あなた
昨日も5時半に帰ってきたんだよねー
ジヒョ
ジヒョ
いつまで続くのかな~?
イェナ
イェナ
てかそれホントにバイトなの?
(なまえ)
あなた
どういうこと?
イェナ
イェナ
だって休日も朝からいないんでしょ?
そんなにやらせるバイトないし
ジヒョ
ジヒョ
ましてや高校生だしね
(なまえ)
あなた
あ、そっか…
(なまえ)
あなた
ってことは…
イェナ
イェナ
友達とでも遊んでるんじゃね?










遊んでる???







イェナ
イェナ
なんか、駅前に最近ゲーセンできたじゃん
ジヒョ
ジヒョ
あ、たしかに
ジヒョ
ジヒョ
バイト終わってから遊んでる、とか?
(なまえ)
あなた
え、そゆこと…?



グクはゲーム好きなのでありえなくもない












ジヒョ
ジヒョ
1回本人に聞いてみたら?
イェナ
イェナ
うん、それがいいと思う
と、そこにフェジちゃんがやってきた
フェジ
フェジ
お~はよっ!
(なまえ)
あなた
おはよ!
フェジ
フェジ
なにがいいと思うなの?
新作コスメとか?
ジヒョ
ジヒョ
違う違う笑
イェナ
イェナ
あ、そういやフェジちゃんピアノ習ってるんだっけ?
フェジ
フェジ
ええ、駅前の教室で
イェナ
イェナ
じゃあさ、最近ゲーセンの近くでチョンくん見かけたりしてない?



するとフェジちゃんは少し考えてからこう言った




フェジ
フェジ
あ~、こないだ男の子たちとゲーセンにいたような、いなかったような





えっ







イェナ
イェナ
それホント?!
フェジ
フェジ
う~ん、いつかは忘れたけど見たわよ
ジヒョ
ジヒョ
まじかぁ……
フェジ
フェジ
あ、じゃあ私先生に呼ばれてるから先行くね!




フェジちゃんは一瞬私と目を合わせてからニヤリとして足早に去って行った





イェナ
イェナ
あなた、もうこれはちゃんと行ったほうがいいね
ジヒョ
ジヒョ
うんうん、怒って良いと思うよ
(なまえ)
あなた
そっか……



今までグクがずっと遊んでたとか







信じなくないけどな…















帰りのHRが終わるとグクはいつものようにさっと教室を去って行った







今日はお母さんがハンバーグ作るって言ってたな~






なーんて考えながら2人と下校して家に着いた






(なまえ)
あなた
ただいま!
さな
さな
あらおかえり!
お母さんは楽しそうにキッチンで野菜を切っていた










私は自分の部屋に行き宿題を終わらせた頃には時計の針はもう5時半を回っていた





お父さんももう帰ってきており、グクはまだ帰ってきていない





全くもう…






1階へ下りるとお父さんとお母さんが心配そうに話していた
さな
さな
あの子ホントに遅いわ…
ほそく
ほそく
はぁ…
こんなに家族に迷惑かけといて、まだゲーセンにいるのだろうか
















ガチャ






じょんぐく
じょんぐく
ただいまー
いつものように吞気に帰ってきた兄貴に私は今までの怒りが爆発した








(なまえ)
あなた
いつまで家族に心配かけるつもりなの!







グクはびっくりした顔でこちらを見ている










(なまえ)
あなた
声かけても何も話させてくれないし
(なまえ)
あなた
毎日毎日バイトバイトって言って
(なまえ)
あなた
ホントはバイトなんかじゃなくてゲーセンで遊んでるんでしょ?
(なまえ)
あなた
意味分かんない
じょんぐく
じょんぐく
………
(なまえ)
あなた
そうやって人騙して、そんなに楽しいの?
お父さんとお母さんが止めに入るけど私の怒りは収まらない















あぁ……、ムカつく!









(なまえ)
あなた
もういい加減にしてy
じょんぐく
じょんぐく
勝手に人のこと決めつけんなよ!





は?







じょんぐく
じょんぐく
もういい
そう言うとグクはさっさと自分の部屋に向かっていった













グクのばか









私はグクとご飯を食べたくなくて2人には申し訳ないけど1人で部屋でご飯を食べていた











途中、飲み物を冷蔵庫から取るのを忘れてしまったことに気付いて、いやいや階段を下っているとグクの姿が見えて、足を止めた







じょんぐく
じょんぐく
母さん、これ…
グクはそう言って分厚い茶封筒を取り出した

さな
さな
え!こんなにどうしたの?
じょんぐく
じょんぐく
母さん、新しい洗濯機買いたいって言ってただろ
ほそく
ほそく
だからって…
じょんぐく
じょんぐく
今までの俺の貯金だから、気にしないで笑









え?












バイト代だよね、あれ絶対












ってことは









グクはゲーセンなんか行ってなくて






ちゃんとバイト頑張ってたってこと…










なのに、私……











あんなヒドいこと言っちゃった…



















じょんぐく
じょんぐく
じゃ、部屋戻るわ





階段で呆然と立ち尽くしている私に気付いたグクはこっちに向かって歩いてきて、私の前を通り過ぎようとした











(なまえ)
あなた
グク!







グクはこっちを振り向いた







(なまえ)
あなた
あの、さっきは本当にごめん…






私は深々と頭を下げた




じょんぐく
じょんぐく
別に








顔を上げたら、グクと目が合ってしまい、私は再び自分の部屋に戻ろうとした





















じょんぐく
じょんぐく
おい、待てよ









振り向くとグクが何かの袋をもって、手を伸ばしていた









じょんぐく
じょんぐく
お前に、やるよ
(なまえ)
あなた
え?
私は袋を受け取るが中に何が入っているのか分からない
(なまえ)
あなた
開けていい?
じょんぐく
じょんぐく
………
無言のグクを見て私はガサガサと袋から中身を取り出した




















え、





これって











(なまえ)
あなた
嘘…








袋の中には綺麗にラッピングされた、私がずっと欲しいと思っていた星型のペンダントが入っていた







(なまえ)
あなた
どうして……?
じょんぐく
じょんぐく
ずっと見てたじゃん、お前
(なまえ)
あなた
でも欲しいなんて一言も…




言ってないのに






じょんぐく
じょんぐく
分かるだろ、そりゃ
(なまえ)
あなた
………っ
胸がつーんとなるのが分かった













(なまえ)
あなた
一生大切にする!
じょんぐく
じょんぐく
……っ//
グクが恥ずかしそうに下を向いているのには気が付かなかったが、




その日はペンダントをにぎりしめながら眠りについた











私はグクが好きなんだということを確信しながら……


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