ドサッ
バサバサ……
<ドガッ
いつから、莉犬はこんな風になってしまったんだろう。
確か……
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それは、僕が小学生の頃。
<ズサッ
僕は、小さな頃から怪我してばかりで
おっちょこちょいで、ドジで
いつも莉犬に迷惑ばかり掛けていた。
でも、莉犬はこんな僕と友達でいてくれて、いじめられている所も助けてくれて、
いつも優しかった。
そんな友情は、いつまでも続きはしなかった。
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<ガッシャーン
僕は、理科の授業中、棚にぶつかり試験管を落としてしまった。
『またかよ』
僕は、莉犬がどんな気持ちで言ったのか、気になって仕方がなかった。
それから、莉犬は僕とあまり話さなくなった。
声をかけても、避けられるだけ。
それから1ヶ月。
僕への扱いが、以前よりも酷くなっていた。
言葉だけじゃ足りなくなったのか、暴力まで振るうようになった。
僕の体には、傷が増えていくばかりだった。
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こんなことが日常になっていた頃。
<ドンッ
莉犬に突き落とされた僕は、
<グイッ
莉犬の手をしっかりと握った。
2人の体は、真っ逆さまに落ちていき
様々な思いや過去の事を思い出しながら、下へ、下へと落ちていき
僕らは仲良く眠った。
_____これは、恨みを持った2人の物語。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!