後ろの方から凄い勢いで走ってくる遥の声に思わず振り向いた私は、その光景に恐怖が襲った
ドタドタと音をたてながら走る遥の後ろには全身血まみれの子供が追いかけているのだ
このまま逃げろと言われても廊下にあるドアは開かないし、教室に駆け込む余裕など何もない
遥が、私に助けてを求めた瞬間...少女が遥の首を握り遥の頭が私の方に飛んできたのだ
遥の体は頭と体が離れて廊下に倒れた
その時と同じにグチャと言う不気味な音を上げた。辺りは飛び散った赤い液体
私は腰を抜かし追いかけてくる子供を見つめることしかできなかった。
どうしてこんな事になったのか。今まで平和に暮らしていた私たちが。あの気味が悪い子供に会ってから私たちは、生活恐怖に変わった。
その時私は体の真ん中を引きちぎられ意識を失った。
あの少女に出会ったのはクラスのシルク、マサイ、遥、私達で遊びに行こうとした時だ。
その女のコの横を通り過ぎようとした時だった。
「貴方達、今日死ぬわね」
な、何!?この子初対面でそんな事言う!?
そう一言言いたかったが、さっきの美人の顔はどこにいったのか。私達を見つめて不気味な顔でこちらを向いていた。
そう言われた瞬間
何か夢から覚めた感覚のようだった。
その女のコは今までこっちを向いてなかったように学校の方に向かっていた。
さっきのは何だろう。あの女の子はもうすでに学校の近くまでいるのに。私の勘違いなのか。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!