side⇋照
しばらく続く無言の時間。
言わない方が良かったかな、とか、まだダメかな、とか
少しネガティヴな考えが頭の中を過る
あなた〈……いいよ。〉
『…え?』
あなた〈でもね、私は自分の力で、照の夢叶えて欲しいって思ってる。〉
あなた〈だから、言うのはメンバーの皆と、一部の先輩だけにしておきなね。〉
『…要は、、?』
あなた〈公表しちゃダメ。〉
あなた〈私が、こんな活動してるから、照よりも先に私が目立ってしまうでしょ?〉
あなた〈それじゃ良くない。〉
あなた〈照が、 “ Snow Man の岩本照 ” じゃなくて、“ EXILE MUKU の弟 ” の岩本照になってしまう。〉
あなた〈そんな形で、世間に照のこと知られたくない〉
あなた〈私は、照が本当にダンスが上手いことも、これまでの努力も、全部知ってるつもりだから〉
あなた〈自分が輝いて、存在を示す。〉
あなた〈だから、あなたがデビューするまでは、秘密にしよう。〉
やばい、俺今危なかった、泣きそうだった、
姉ちゃんが、こんな事を思ってくれていたとは
1ミリも知らなかった。
『分かった、約束する。』
あなた〈私そろそろ円陣の時間だから、〉
『おう、!頑張って!』
よし、決めた。
辰哉「あ、帰ってきた。」
亮平「おかえり〜」
『皆、稽古終わったら、俺に時間頂戴。』
翔太「…?」
涼太「いいよ。」
大事な仲間。
信じてる人達だから、
もう隠さない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!