田中樹side
……もう嫌だ……
死にたい……
でも、死んだりしたら……
兄貴のせいとか
兄貴があんなことしなきゃとか
そんなことばっかり最近思う……
慎太郎は悪くない……俺がいるから、だからあいつは……
俺って、どこまでお人好しなんだろ……
高地優吾side
なんでさっきから、樹を探してるかって?
俺らといるのが気まずいからって、
慎太郎も、樹も、楽屋から出てってたったきり
戻ってこない……
樹が居なきゃ……誰がラップ担当になるんだよ!←そこ!?
とか冗談言ってる場合じゃなくて……
樹は昔からの癖で、何かある時は
ドアをきちんと閉めないくせがある
てことは……
田中樹side
もう、死のうかな……
死んだらダメだって思ったけど……
もう俺……
なんで……
……
俺は東の屋上から飛び降りた
(慎太郎は西の屋上ということで)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。