話したいけどプレスの方々がいるから話せないか。
ゆっくり話せる雰囲気じゃないしね。
だってここで日向坂になれるかなれないかが決まるんだから。
私は絶対なれるよ。
歌うこと好きだし、ダンスも下手だけど楽しんでる。
なんとしてでも“日向坂46”として活動したい。
その気持ちがあれば大丈夫。
そう信じて、結果を待つ。
(審査員)本日はご来場いただきましてありがとうございます。
只今より、日向坂46、追加オーディションの結果を発表いたします。
いよいよだ。
呼ばれますように。
(審査員)エントリーナンバー17番、雪風あなたさん。
えっ???
(審査員)こちらの壇上へどうぞ。
ありゃりゃ、受かっちゃったよ。
実感がないんだが!?
一緒に合格したのは誰だろ?
(審査員)以上、今回のオーディションでの合格者は一名です。
え?
一名?
私だけ?
日向坂46の4期生は私?
雪風あなた?
信じられない!!!
(司会)ではこれより会見を行います。
質問のある方は手を挙げて、名前と会社名を述べてから
質問するようにしてください。
(記者)朝日新聞の斎藤です。今のお気持ちを教えてください。
(記者)ありがとうございました。
(司会)ほかに質問のある方はいらっしゃいますか?
(記者)読売新聞の前田です。
これからどのように活動されていきますか?
(記者)ありがとうございました。
(司会)ほかにはございますか?
(司会)無いようですので、これで会見を終了させていただきます。
ふう。終わった。
これからがスタートだ。
がんばろ。
できるよ、私なら。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。