9月7日、私は七瀬家の長女として
産まれた。
私には双子の兄がいた。
優しくて、責任感がある天にぃ、
病気で辛くても笑顔を絶やさない陸にぃ。
そんな家に産まれた。
兄の病気が発覚して入院した時とほぼ同時期に
私は 『______』を患った。
産まれた時から持っていたらしいが、
今活動し始めたらしい。
だが、私は心配をかけたくない一心で
そう言った。
すると両親は
そう言って、陸にぃの病室へと向かって行った。
正直、心配して欲しかった。
だって、まだ幼かったから。
でも、陸にぃの病気が悪化した時だった。
母も、父も、天にぃも、陸にぃに付きっきり。
そんな日だった。
私の病気が悪化し、吐血した。
その時、私は母に助けを求めた。
その時、心の中で何かが割れる音がした。
……… あレ……?
無理 しないでって 言ッたの ママ じゃないノ
私 だって 心配 シテヨ …… !!!!
ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ!!
ピピピピピピピピ
見たくもない夢を見た…。
私はもう七瀬じゃないのに
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!