悪い夢を見たから、少し過去を振り返ろうかな。
親に突き放された後のお話を
私の病気が悪化してからというと、
やたらと頭痛がしたり、腹痛、
便秘などが治まらなかった。
親に聞いても、薬を飲めば大丈夫の一点張り。
そんなある日、あまりの体調の悪さで
学校を休んだ時、天にぃが知らない人を
連れてきた。
その人は九条鷹匡と言った。
天にぃは親を呼び、その人の話を
聞くことになった。
天にぃには、アイドルの才能があること、
あの伝説のアイドル、ゼロを越えられる、と……
母達は抗議していた。
だけど、結局九条さんの元に行く事になった。
九条さんが帰る時、九条さんが私の元にやって来て
そう言う九条さんの目や、声から分かった。
この人は、私の事を大切にしてくれると。
母や父は声を上げて呼び止めていたが
私は振り返らず、九条さんについて行った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!