第40話

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2021/09/13 12:00
佐藤勝利
佐藤勝利
じゃあ家まで、送ってくれ。
じいや
はい。おぼっちゃま。
(なまえ)
あなた
ふふ…
もう、私、笑いが止まらないよ。
だって、明日が楽しみなんだもん。
14年ぶりのパーティー。14年ぶりのドレス。
もう、頬が緩んじゃって戻んないよ。
佐藤勝利
佐藤勝利
お前…
佐藤勝利
佐藤勝利
キモイぞ。
(なまえ)
あなた
はっ…!
(なまえ)
あなた
すんません!
やべやべ…
でも…
心はルンルンッ!
(なまえ)
あなた
ほんとにありがとうございましたっ!
佐藤勝利
佐藤勝利
お前…分かりやすいな。
(なまえ)
あなた
あ…そうですか?あはは。
佐藤勝利
佐藤勝利
あ、でもお前、なんか用事あるとか言ってなかったか?
それ、大丈夫なのか?
(なまえ)
あなた
あー。あの…
(なまえ)
あなた
大旦那様がパーティーの日、あの高級旅館に行くよう
チケットをくださったんです。
(なまえ)
あなた
久しぶりの休暇に…って。
でも、私、パーティーの方が楽しみなので…
このチケットは返そうと思います。
佐藤勝利
佐藤勝利
別に返す必要ないじゃん。
そのチケット、どうせ親父もどっかで貰ったやつで
使わないだろうし、貰っちゃえよ。
(なまえ)
あなた
え…?でも…
佐藤勝利
佐藤勝利
取っといてお前が有給使って別日に行けば良いだろ。
佐藤勝利
佐藤勝利
行ったふりして取っとけ。
(なまえ)
あなた
そんな…。行ったふりなんて出来ませんよ。
第一、私はパーティーで会うかもしれないですし…
佐藤勝利
佐藤勝利
そんなの気づかないって。
パーティーには大勢来るし、親父は親父で対応忙しいから。
(なまえ)
あなた
そうですか…?
佐藤勝利
佐藤勝利
ああ。
(なまえ)
あなた
じゃあ…貰っちゃいます!
とは言ったものの…
ほんとにいいのかな?

















笹山七海
じゃあ、あなたちゃんもパーティー出られるんだ!
(なまえ)
あなた
うん。
高級旅館もいいけどせっかく勝利がドレス用意してくれたし…
笹山七海
よかったね!
(なまえ)
あなた
ほんとほんと!
楽しみだなぁ〜
笹山七海
…。
(なまえ)
あなた
七海…?
笹山七海
え、あ…うん。
(なまえ)
あなた
七海…楽しみじゃないの?
昨日からため息ばっかついて…
笹山七海
あ…
笹山七海
あのね。
私の家、実は笹山商事っていう会社を経営してるの。
(なまえ)
あなた
うん。
笹山七海
でも…実は最近あまり業績が伸びてなくて…
どっかと合併したいってとこが本音なの。
笹山七海
合併するなら、出来るだけ大きな会社がいいじゃない?
だから…お父さん、私を大手企業の息子と結婚させて、
いい条件で会社を合併させたいって。
(なまえ)
あなた
なにそれ…。
笹山七海
だから私、明日のパーティーで5人の息子様たちに
アプローチするように言われてる…。
笹山七海
でも、怖くて…。
本当は、結婚なんてしたくもないのに。
(なまえ)
あなた
そんな…。
ひどい。
七海の気持ちも考えずに…。
会社の成り行きで娘の人生を決めるなんて。
笹山七海
それでもね、私…それでいいと思ってるの。
私の気持ちじゃなくても、会社が無くなっちゃうのはもっと嫌だから。
(なまえ)
あなた
…。
笹山七海
…ごめんね。
あなたちゃんにこんな話…。
つらかった。
七海がこんなに苦しんでるのに、
私は何も知らなかった。
謝らなきゃいけないのは、私の方だよ。

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