まったくっ!聡くんに呼び止められたせいで
時間ギリギリ!
とは言ったものの…
なんでここに勝利が…?
やば!なんで一緒なのよ意味不っ!
しかもよりによって…
ああああああああ〜
これはっ…
始まった。
地獄のリレーが…
そして…タイム計測…
あーヤダヤダ。
誰かさんも見てるし…
やだな〜
走りたくないな〜
始まってしまったよ。
でもね…私は、、、
よーし。
いたって普通のタイム。
これぐらいが平均的でしょ!
この技を身につけたのは、何年生の時だったかな…
50m走…
なにせ私は…
うわー。
またなんかいちゃもんつけてる奴がいるよ。
嫌われるからやめといた方がいいのに。
それが実力なんだって。
は?
ちょっとやめてよ!
なんの根拠で…
ま、さか。
そして…
だから…
ほんとにヤダ。
別に私、足が速くなりたかった訳じゃないのに。
これ、実はコンプレックスなんだよね…
誰の血を引いたのかは知らないが…
私は小さい頃から足だけは速かった。
それでも…
あの男のせいで…
あああ…
どうしてこうなるのか…
なぜっ!どうしてっ!
教えてくれぇぇぇぇ〜!!!
あ〜あ〜あ…
言っとくけどね、
負けないから!
マジでっ!
でも…
バトンが一歩勝利のチームのが速くて…
でも巻き返すから!
差はほんとに数ミリ…
勝利の背中がふっと消えて…
後ろに息がかかってる。
でも…
正直キツくなってきた…
最近運動してないし…
ゴールテープ目前…
なぜか勝利の笑みが見えた…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。