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ぬなが驚いて大きな目をさらに開いた
ずっと鼓動が早いままだ
あの時のように軽く目眩がするㅤ ,
会いたかったㅤ、 何度も呟いた
ひたすらにその身体を抱きしめた
この温もりを感じたかったんだ ,
優し過ぎる彼女の心地のいい声ㅤ、 匂い
久々に見たぬなのㅤ、 変わらない姿 .
何もかもが 俺を安心させて
暫くその香りに包まれていた .
長男ㅤ、 だから .
しっかりしなくちゃ .
そんな思いが
今では首輪みたいに俺を締め付けた
優しく頭に触れㅤ
頬に触れ 、
にっこりと微笑む彼女は
神秘的でㅤ、 心が洗われるようでㅤ ,
口から溢れる声は
あまりにも情けなくて頼りない ,
少年ㅤ、 かんせじゅんの声 .
今だけはㅤ、 彼女が此処で優しい言葉をかけてくれる時だけはㅤ 、
このままで居たい .
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!