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もう何も分からないまま練習室を飛び出した


ひょんㅤ、 と呼び止める声が聞こえた


…ㅤ　本当に情けない長男だㅤ　,













昨日から降り続く雨に打たれる


自分を完全に見失った





どうすればいいかも分からないし


正体がばれてニュースになるかもしれない　.


これ以上迷惑も掛けられない

後先考えずに行動する馬鹿だ


傘もないまま立ち尽くす　.


幸い 人通りは少ないみたいだった

暫く何も考えずに ただ雨に打たれた　.


さっきよりも弱まった雨が


俺を溶かしてくれるみたいに降りかかった










その空間には自分しかいなかった


周りも何も見えない　,


暗い空と雨だけが残るㅤ　.

暫くして雨が止んだ





…ㅤ　正確には雨が当たらなくなった　.


周りではざぁざぁと雨音が響いている　.












目の前に誰かがいるような気がする


メンバーじゃない　ㅤ,


だけれど雨の中からする香りは


何処か懐かしくて　ㅤ.

…　ㅤ俺はこの人を知っているㅤ　,

幻聴だろうかこれは　ㅤ,


間違えるはずのない声ㅤ鈴のような柔らかい声色


ずっと聞きたかった声　ㅤ、

愛する人の 優しい声　.











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