第25話
ㅤChapter 3
u side
今日も同じ月が昇る .
頭に浮かぶのは勿論あの人のことㅤ .
彼には会えないんじゃないかと
日を重ねる毎に強く思う
別れてから全て平行線で進んでいる
交わることのない直線ㅤ .
少しでも曲がっていたらㅤ少し内側に傾けば
何は会うことだって可能だと .
いい歳した既婚者のおばさんなんて ㅤ、
スーパーアイドルのお相手にもならないわ と自虐した
紛れもない事実が胸を突く
…ㅤ きっかけが有れば会えるかなㅤなんて
まだ何処か期待してしまう
依存してるんだ , ㅤ会えない彼の存在にㅤ .
あの日交わした約束 .
ライブの日の吸い込まれるような瞳
私に向けられたものだと確信すると同時に
なんだか胸が暖かくなる .
気がつけば雲が空と月を覆っていた
突然の睡魔に襲われてそのまま眠りについた .
この小さな胸騒ぎの正体を知りたい
明日は何かが起こりそうな予感がしていた