また外の世界を見たかった…
そう思ったその時。
家主である鬼が帰ってきた。
ーーーーーガタン
「大人しくしてたか?俺のペット達…」
鬼は声をかけて部屋に入ってきたが
もはや返事をするものはなく
私を含めて5人の女の子が居たが
私以外は、排泄もなくぐったり横たわっているだけ。
数々の乱暴や拷問、
鬼の遊びに耐えられなかったのだ。
みな、すでに息がないまま数日経つ。
「死んだか?」
1人ずつ髪を掴まれ頭を持ち上げられるが反応がない。
私もぐったりしているが
羽織が自分の排泄物で汚れ腕には縛られた際の痣が濃くなっていた。
「生きてるのはお前だけか
致し方無い、今夜はお前で欲を晴らす。
可愛がって貰えるんだ。
…たくさん泣くんだぞ?」
鬼はニタリと嫌な笑顔で私に話しかけた。
が、私は声がでない。
声を失って1年以上が経つ。
暗闇で耳だけが発達し、いつからか声が出なくなった。
この汚れきった身体。
今夜もまた汚れを重ねていく。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!