出席番号34番 見節海衣は疑っていた。
何故なら普通に高校生活を送るなら
そんな物必要無い筈___
出席番号1番の生野 翼が提案をした。
翼の提案を否定する者は居なく、自己紹介が始まった。
はい、まず俺からね!と翼が手を挙げる。
ニカッと笑う翼にクラスメイト達は好印象を持ったようで、
翼の自己紹介は暖かい拍手で終わった。
それから数分。
璃久の次に自己紹介をした翠坡と言う少女は、
ハキハキと喋っている。
それから1分くらい。
みんなの自己紹介が終わり、丁度良い時間になった。
翼が「それじゃあ行ってくるな!」と言い、皆が見送った。
自分の時間が来るまで各々が好きな事をしていた。
クラスの印象、恋バナ、ゲーム、雑談、放課後の話。
誰をとっても華やかな話をしていた。
✐
1時限目が終わり、全員が埋め終わった。
もちろん、海衣や璃久の身体にも入っている。
2時限目の鐘が鳴る同時に先生が入って来た。
その「特別」という言葉に海衣含め、
多くのクラスメイトが騒ぎ出した。
歓喜の声、残念がる声。
海衣は勿論歓喜だった。
先生はパンパンと手を2回叩く。
そして言葉を続ける。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。