はっ、と目が覚めた。
そこは自分のベッド…。ではなく、テレビの前のソファーだった。
つけっぱのテレビの左上には11:12の文字。
ジュウイチジジュウニフン。
ジュウイチジジュウニフン。
激闘の一週間が終わったあとの、せっかくの休みだと言うのに、完全に寝過ごしてしまったらしい。
とりあえず立ち上がり、鏡の前へ。
今日は映画でも見に行こうかと思っていたけど。
これは…。
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家の扉を閉めて鍵をかける。
今日は少しどんよりした天気。
雨の降る気配はほとんどない。
ゆっくり駅に向かって進んでいった。
家は駅から歩いて帰れる距離にあるので、それなりに栄えてはいるものの、駅に近づいていくにつれて高い建物が近づいてくる。
それたちをゆっくり見ていると、平日の朝も毎日通っているのに、また違った景色が見えてとても楽しい。
思いの外、駅には早く着いた。
日曜日の昼なのに、スーツ姿の人がちらほら。
「お疲れ様です!」
こないだの私も赤い日なのに頑張ったわぁ。
(お疲れさまでした!)
ついに改札までたどり着いた。
ピンポン。
何故か止められてしまった。
やられてしまった。
ひとまず引き返し、Suicaをチャージ。
ちょっと横を見てみたら、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!