前の話
一覧へ
私には好きな人がいる。
彼は明るく、誰もが笑顔になれるような明るい人だ。彼はいつもたくさんの友達に囲まれている。そんな彼のことを眺めることが好きだった。
ある時、私は彼と同じ委員会に所属することになった。
これが全ての始まりだった。
私は彼と放課後、委員会の仕事をするために2人で居残りすることになった。
彼は一生懸命書類をホチキスで束ねていた。夕日に照らされる彼の姿は、いつもの何倍も輝いて見えた。
そんな彼を見て、私はたまらず今まで知りたかった疑問を訪ねた。
「今気になってる人とかいないの?」
彼はびっくりしたようにこっちを見たが、その後少し考えてから
「恋愛に興味がないんだ。」
と、言った。
私はびっくりした。
こんなにかっこよくて、みんなから人気のある彼が、恋愛に興味がないなんて思ってもいなかったからだ。
でも、今がチャンスなのかもしれない。私は彼に思い切ってこう言った。
「私と、お付き合いしませんか?もちろん無理なことはわかってるけど。」
断られることはわかっていた。でも、少しでも私が彼を思っていることを伝えたかった。
彼は目を大きく見開いた後、しばらくの間沈黙が続いた。
そして、彼はこう言った。
「恋愛ってよくわからないんだ。もし、君が、好きという感情を教えてくれるならよろしくお願いします。」
こうして私たちは付き合うことになった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。