[ きりーつ、礼。さようなら ]
《 さようならー 》
みんなが 友達と話しながら 教室をぞろぞろと出ていく中、僕は 夢中で 君を探す。
あ、居た。
まだ、帰る準備をしているところ に 駆け寄って、いつもと変わらないセリフを言う。
「 あなた、帰ろ。 」
そういうと " うん!" と返してくれるのに 今日は少し違うみたいだ。
『 あ、ごめん どんひょん。呼ばれてるから先行って 待ってて! 』
またか、と 僕はため息をつく。
僕は もっと君と 違った形で出会いたかった。
僕の次に 仲がいい、どんぴょくんみたいに 普通の " 同級生 " として 出会いたかった、とつくづく思う。
君は 入学してから 何回告白されたんだろうか。
両手で足りないくらいだろうか、
中学生の時も 告白されてはいたが、今ほどではない。
分かった。
そう口では返事をするものの 気になってしまう
告白の返事、が。
ごめんね そう言って走っていく君は、君は
どう、返事をするんだろうか。
やっぱり、人は気になってしまったら終わりで。
来てしまった、告白現場に。
途中で 駄目だ、駄目だ、と何回も思っても 足は止まってくれなくて。
しかも 相手がサッカー部で学年1番人気 の いむ そのくん だと知らずに。
OK するんだろうな、そうぼーっと眺めていると 頭を下げる君。
あれ、断っ…た?
そう思った瞬間 掴まれる細い君の 左手。
理解するのは 意外に早かった。
君が告白を断ったのに しつこく言い寄られていること。君が嫌がっていること。
助けなきゃ、そう思うが 僕の足は震えている。
勝てっこない、そう思ってしまうのだ。
目の前で 好きな人 が しつこく言い寄られているのに 僕は何も出来ない。
もし、僕がこの場で君に 駆け寄っても 助けられる、という保証はどこにもない。
でも、でも
行かなきゃ。
僕の足が 動いていることに気づけば もう、僕は 君を後ろに立っている。
『 どん、ひょん…? 』
そう言う 君の声は震えていて 涙目になっている。
あぁ、僕が守らなきゃって 思った。
「 俺の … 彼女、だから。」
そう言って 君の腕を掴み 歩いて行く。
告白現場 から だいぶ離れた 公園のベンチに腰を下ろす。
『 ごめん、どんひょな ありがと、』
「 いや、す、好きな子 を たすけるのは 当たり前だろ、 」
『 え? どんひょん 今なんて 』
「 好き、俺は あなたが好き。 」
fin. 🦋
夜中に書いたものなので少し おかしい所あるかもです…🙇🏻♂️
今日中に なんとか うそくさんの続きも出す予定なので 楽しみにしといてください ~ ❕
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。