優しい声とは真逆に視線は冷たいままだ。
私は恐る恐るソファーへと近づき、彼の隣に座る。
するとその瞬間腕をガッと掴まれた。
そう言うとどこからか手錠を取り、
私の手首へと繋いだ。
ガチャガチャと音を鳴らしながら外そうと試みるが全く外れる気配がしない。
今まで見たことのない彼の姿に恐怖を感じ涙が溢れ出す。
こくんと頷くとゆっくり手が伸びてきて私の頬を伝う涙を拭った。
少し間を開けると再び口を開く。
そういった後、にやりと不敵な笑みを浮かべた。こんな彼、私の知ってるジョンハンじゃない。
更に恐怖が増し、ガタガタと勝手に体が震え出す。
涙を拭っていた指が私の体を伝って下へ降りていく。
手錠の鎖を掴むと、ベッドまで強制的に引っ張られていく。
ジョンハンは私をベッドへ投げ出し覆いかぶさるように見下ろした。
低い声で呟くと唇を重ねてくる。
荒々しいキスによって私の頭は朦朧とし、だんだんと全身の力も抜けていくのが分かった。
長いキスを終えたと思うとまたすぐにキスの雨が私を濡らす。
手錠で繋がれた両手を頭上へと追いやると私の自由を更に奪う。
名前を呼んで、彼の目をじっと見つめた。
私が名前を言い終える前に再び口を重ねてきた。そのキスはさっきの荒々しいものとは違い、心地良さを感じられるものだった。
優しく啄むようなキスが終わると額をくっつけ私の視線を捕らえる。
ポケットから取り出された1粒の飴玉。
包みから飴玉を取り出すと私の口内へと放り込まれた。
薬…?一体どういうことか分からないまま舐め続けていると、小ぶりの飴玉だったためにあっという間に溶け切ってしまった。
媚薬と分かった瞬間、鼓動の速さが増していく。
わざと耳で囁かれ思わず体がぴくんと反応する。
彼は満足そうに笑うと私の頬をそっと撫でた。
ただ触られただけにも関わらず無意識に体が跳ね上がる。
彼に触られた途端に体が火照りだし、
だんだんと呼吸が乱れていく。
笑みを浮かべたまま私の体を指でなぞると
顔を近づけ首筋を舌で舐めた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。