ツリメside·····
俺はりっくんの言葉から逃げるように走って、走って、見たことも無い公園についた。
とりあえず一休みしようとベンチに座って空を見上げた。
視界が歪む。
あぁ、また泣いてしまっている。
スマホをみるともう12時をまわっていた。
歩きだそうとしているのに、
少しも体が動いてくれない。
違う。
疲れているからなんかじゃない。
現実から目をそむけようとしているだけ。
そんなことをうだうだ考えているうちに時間はもう1時になりそうだった。
やっとの事で重い腰をあげ、俺はとぼとぼと歩き家に着いた。
ガチャ
家に着いた時には2時をすぎていて、さすがにもうみんな眠りについていた。
その夜はなかなか眠れなかった。
寝ようとしてもあの人の笑顔や赤い髪が頭をちらつく。
と、俺は心に決めた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!