─青羅side─
正直、言ってほしくなかったかな。
紫暮とか、麻緋とかの前では、
ずっと強い私でいたかったから。
あんなのに、屈したくなかったから。
私はいつもの"笑顔"を貼り付けて言った。
笑っていればみんな、気付かないでしょ。
いつもの私だと思ってくれるでしょ。
今日、
ドキッとした。
私は完璧なつもりだったのに。
ばれてしまっていた。
橙智に言っていたのも、
助けてほしくて相談したのではなく、
ただの最近の状況報告のつもりで言っただけだった。
助けてほしい気持ちも
あったけど。
でも。
違かったんだね。
紫暮達は、強かった。
小学生の頃とは違って、
強かったんだ。
私が、
頼っても良かったんだ。
意地を張って、今まで一人で頑張ってきたのが、馬鹿みたいだ。
頼っても、良かったんだ。
友人を、彼氏を信じて、
頼って良かったんだ。
嬉しくて、
涙が
あぁ、終わっちゃうのか。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。