第7話

バーノン×スングァン すれ違い①
1,719
2020/01/03 18:17
ノンケのハンソルと付き合ってもう直ぐ2年目。


我ながらよく続いたと思う。


でも…正直そろそろ潮時なのかな、とも思うんだ。
スングァン
スングァン
え、出かけんの?
バーノン
バーノン
あぁ、サークル仲間で飲み
ハンソルは財布をケツポケットに突っ込み立ち上がる。
スングァン
スングァン
何だよ…今日は出かけないって言ってたじゃん
バーノン
バーノン
さっきメール来た
スングァン
スングァン
あっそ
一緒に住んでいたって普段は2人ともバイトばかり。


今日は久々に2人揃って休みだったって言うのに
俺のことを置いてハンソルは出て行こうとしてる。


その選択に躊躇いは見え無い。
バーノン
バーノン
先寝てて良いから
そのまま玄関へと向かうハンソルの背中に
俺は耐え切れず言葉をこぼした。
スングァン
スングァン
俺たち、距離置こっか
“別れよう”とは言えない臆病な俺。 


仕方ないだろ?
だって俺はまだハンソルが好きなんだから。
バーノン
バーノン
……なに?
ハンソルの足がピタリと止まる。
スングァン
スングァン
距離を置こうって言ったんだよ
バーノン
バーノン
なんで
スングァン
スングァン
なんでって…
今の俺たち一緒に居て何か意味ある?
2人で住むために
少し広い部屋を借りているから家賃が予算より高く
休みの日は朝から晩までバイトバイトバイトですれ違い。


だからって狭い部屋に男2人では
友人たちに怪しまれるかもしれない。


このご時世、幾ら昔よりも
同性同士の付き合いを認めてくれる人が
増えたとは言え偏見は根深い。


漫画みたいに簡単には
カムアウト出来るような神経を
俺たちは持ち合わせて居なかった。


だからこそ2人揃って家に居られる休みは
貴重だと言うのに…ハンソルと言えば
いつも友達を優先してばかりだ。

スングァン
スングァン
今日だって久々に2人揃って休みなのに
何で出てっちゃうわけ?
俺と居たくないならそー言やいーじゃん!
さっきまで別れることが怖かったくせに
言い始めたら何だか段々腹が立ってきて
文句はエスカレートし始める。
スングァン
スングァン
大体、サークル仲間って
女の子も居るんだろう!?
お前に分かる?俺と違ってお前が
ノンケだからって女の子にまで
焼きもち焼かなきゃなんない気持ちがさ!



ーーゴトッ





そこまで言った時
何故かハンソルが手に持っていた携帯を床に落とした。



-続く-


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