第5話

ジュン×ミンハオ チャイナline②
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2020/01/02 14:22
気になってジュンに
好きな人のことを聞いたことがある。


しつこく聞いてやっと出た特徴が『美人』だった。


そりゃお似合いだと笑って言ってやった。


ジュンはイケメンだ。



俺とは違う

俺なんかどこにでもいるようなフツメンである。



ジュンとは違う

美人とも違う



改めてその時この片想いは何時まで続くのかと考えた。


けれど未だに俺は終止符を打てないでいる。


3年間もずるずるとこの恋心を引きずっている。
ジュン
ジュン
あれ?………アメ?
ミンハオ
ミンハオ
…?…なんか言った?飴?
ジュン
ジュン
違うよ、なんかポツンと…
約束通り放課後に飴を買い
何をしようかと歩いていた時ジュンは空を見上げた。


途端にザアザアと叩きつけるような雨が
容赦なく降ってきたので急いで近くの店に避難する。
ミンハオ
ミンハオ
ビックリした通り雨かな?
ジュン
ジュン
ほんと突然だな
ほらこれタオル
使ってないから安心して
ミンハオ
ミンハオ
ジュンは?
ジュン
ジュン
後で良いよ
まじで中身もイケメンだよ


そりゃ、モテモテだよ


ちくしょーが



俺はジュンからタオルを奪いとって
無理矢理にジュンの髪を拭いてやる。


わしゃわしゃと力を入れて
痛いとか言われたががそんなもん知るか。
ジュン
ジュン
うわ…髪メチャクチャでしょコレ
ミンハオ
ミンハオ
水も滴る良い男だよ
ジュン
ジュン
絶対嘘だぁ
手ぐしで直す奴を尻目に俺は外を見る。


まだまだ雨が止む気配は無い。
ジュン
ジュン
……よし!ミンハオ走ろう!
ミンハオ
ミンハオ
!?
は?

何を言ってるんだ?と思ったが
隣のジュンの表情を見て俺は驚いて固まる。


なんだかいつもと感じが違ったのである。


何かを決めたような緊張しているような顔だった。


理解出来ないままジュンは勝手に走り出した。


仕方なく俺も後を追うことにする。


ジュンの表情が嫌に気になったからだ。


駅に走るのかと思えばジュンは違う方向に走っていた。


かなりの距離を走り息が乱れて足が重くなってきた時
前を走っていたジュンが膝を付いていた。
ミンハオ
ミンハオ
…ジュン…はぁはぁ……早っ
ジュン
ジュン
も、無理っだ……走れ、ないっ…
お互いに限界なようで雨宿りの為に辺りを見回すと
そこには如何わしいホテルしかなかった。


焦ってジュンの腕を掴み
立たせようとするがびくともしない。
ミンハオ
ミンハオ
ジュン…移動しよ
ジュン
ジュン
はぁ…はっ……無理…動けない
ふざけるなと思ったが
このままここにいるのも目立つし風邪を引いてしまう。


仕方なく意を決して俺はホテルに足を踏み入れた。



-続く-


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