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第20話

見えない本音と想い
「男子!!スカート見て遊んでないで早く着替えてくれる!?」


真礼がドンドンと扉を叩きながら怒鳴っている。
無理もない。着替えるのに15分だ。
これからメイクの練習…というかリハーサルだ。

あさってに迫った高校生活最後の文化祭。
明日は出店の準備に時間がかかるため、メイクにあまり時間をかけてられない。

だから今日少しでも慣れておこうということだ。


「真礼は似合ってるね」

「んでしょ!」


真礼は身長が高いすらっとした男の子に。ワックスでキメた髪はとても気に入っているらしく、「文化祭終わってもこの髪でいいかも」と髪をずっといじっている。


「そいや…羽音は?」

「あー、今から白衣借りに行ってくるね」

「そっか。こっちは任せて行ってら!!」

「うん、ありがと👋」


みんなにバレないようにそっと教室を出た。

そこには菜穂が何かを考えるようにしていた。
最近顔も合わせられてないから話しかけてみようか。そう思い、菜穂の肩を軽く叩いた。


「菜ー穂!!」

「ふぁぁ!羽音ちゃん!」

「久しぶりじゃん?なんか。」

「そうだね〜」


しみじみするように返事をしてくれた。


「そっちのクラス、未成年の主張なんでしょ?」

「そうなの!」

「蓮理は主張する?」

「え…なんで…?」

「あ、や、するの?って聞いたらはぐらかされたから」

「れ、蓮理くんは…したい、って立候補してたよ」

「お、そーなんだ!楽しみにしといてやろっと、!」


私は「そんじゃ!」と言って保健室へ向かった。
振り返り、菜穂の表情を見ることも無く。
ゆっくりと歩き出した。

しかしやはり蓮理はするのか。
あいつに限って主張?弟の凛太くんのことかな。でも割と兄弟仲良いし…?

こうして想像を膨らましている時も楽しいもの。誰のことを考えていても──




「失礼しまーす…」

「はぁい?どした?」

「し、新垣先生!?」


デスクに向かっていたのは坂川先生ではなく、新垣先生だった。最近全く姿を見ていなかったものだから、つい忘れて…


「そんなに驚かなくてもいいじゃん?」

「まぁ…そうです…よね、」

「んで?どしたの、?」

「あー、っと、坂川先生を…」

「坂川先生なら隣の部屋にいるよ、呼んでこよか?」

「あ、大丈夫です!もしかして隣の部屋ってあのドアですか、?」

「そ!意味の無いドアって言われてるやつね」


そう。誰もが出入りをしている所を見たことがなく、ずっと鍵がかかっている分厚そうなドアは『謎ドア』と呼ばれていた。


「それじゃあ、ありがとうございました。」

「おうっ!またおいでね!!」


ニカッと笑った新垣先生。
その後小声で「あ、保健室は健康でいなきゃいけないから来ちゃだめじゃん」と言ったのは聞かなかったことにしておいた。

そして隣の謎ドアをノックする。

中から「はい」という返事が聞こえた。
わかる、坂川先生の声だ。


「少しだけお待ちいただけますかっ!!」

「先生?」

「…白野さん、?」

「はい…。」

「どうぞ」


先生はその部屋に入れてくれた。
この前行った奥部屋に続く部屋だったんだ。
前来た時と同じものが並んでいる。


「白衣ですよね。」

「はい!」

「とりあえず、白衣は後でお渡ししますね。」

「えっ、でも私…」




先生は私に貸し出すはずの白衣を自分のバッグの下に置き、私に面と向かってこう言った。





「白衣を渡す前に白野さんに一つしておきたいことが…」