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第5話

プリン
「ただいまー」

白塗りの我が家に帰ってきた。玄関を開けるとコンビニのビニール袋がカサッと音を立てる。
父親は仕事で帰ってて来てなくて、母親は夕飯を作っているみたい。大学生の姉はどこにいるのだろうか。
自分の部屋にいるならばいつもドカドカとうるさいのだけれど、2階からは全く音がしなかった。

「お母さん、お姉ちゃんは?」
「あ、羽音おかえり。お姉ちゃんならデートに行ってて今日は帰ってくるの遅いんじゃないかな。」

あぁ、デートね。
どうりで最近部屋から話し声が聞こえるわけだ。通話か何かしてるんだと思ってはいたけど…。まさか本当に彼氏がいたとは。

「そっか。」

と言いながら私はLINEの画面を開いた。
1件の新着メッセージが表示された。
誰からか。蓮理だった。

清宮 蓮理 (キヨミヤレンリ)
羽音、今って大丈夫?
白野 羽音 (シラノ ハオ)
うん、大丈夫だよ
清宮 蓮理 (キヨミヤレンリ)
さっきも言ったけど、俺、部活辞める。
幼馴染だし、割とこう…応援もしてくれてたし、言っておいた方がいいのかなって思った。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
蓮理が辞めたいって言うなら止めはしないよ
清宮 蓮理 (キヨミヤレンリ)
理由、聞いて欲しい。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
うん、いいよ。
白野 羽音 (シラノ ハオ)
いつものように、家行こっか?
清宮 蓮理 (キヨミヤレンリ)
じゃあ部屋掃除しとく、笑
そうと決まればあとは早い。
ビニール袋をもって、スマホをもって。

「お母さん、ちょっと蓮理のとこ行ってくるわ!」
「こんな時間に?蓮理くん大丈夫なの?」
「蓮理に呼ばれたの。そんな気はしてたけどね。」
「そう…早めに帰ってくるんだよ」

蓮理の家は結構久しぶりだな…。
お母さんがあんな顔するのも分かってしまった。高校生の男女が夜に家に行くんだもんね、あーだこーだ想像はしちゃうよね。
でも大丈夫。そんな関係ではないから、笑

外はすっかり暗くて、カーディガンだけじゃ少し寒かった。


相変わらず大きな家だなぁ…。
少し洒落っ気のあるインターホンに人さし指を置き、少し深呼吸をして強めに押した。

「入って」

インターホンから返事がないと思ったら、玄関からひょこっと顔を覗かせていた。

入ると真っ直ぐに廊下がある。

「これ、蓮理の好きなやつ、買ってきた」
「もしかして…」
「そのもしかして。」

「ありがとな!」と嬉しそうに笑ってみせてきた。
そーゆー笑顔は昔っからなんにも変わんないんだよね、。

「今日…、親御さんいないの?」
「ここ三日程はいないな。なんか旅行に行ってんだよ。凛太のやつは友達んとこ泊まりに行くって言うし。」
「夕ご飯、食べてる?」
「食べてるよ、一応。」
「ならいいや。」

凛太くん…蓮理の弟くん…。可愛かったのにもう高校生になったんだよね…。

階段を上がって、蓮理の部屋に着いた。

「あれ、いつもんとこ座んないの?」

いつもんとこ、。座っていいのだろうか。行く度にベッドに座って漫画を読んではいたけれど…。もうあの頃じゃないん…だ…けど…。

「お前が来るって言うから、さっきわざわざいつものところに移動させたのになー。」

「それはありがとうございますー。」

ちょこんと、ふっかふかのベッドに座った。
抜群の座り心地。
ただ、ここでプリン食べると汚しそうだったから、ずるっと降りた。

「プリン食べたい。」

催促するかのような目で蓮理は私に言ってくる。

「仕方ないなぁ。はい、どーぞ!」
「いただきます!」

プリンで少しでも部活より楽しんでもらえれば…。