無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第26話

張り切りの写真館
廊下に顔を出すと騒がしいえがたくさん聞こえる。

楽しんでるなぁ…。
そうしみじみ感じた。

実際今私も楽しんでる。
この格好をするのもだんだん慣れてきて、これが私なんじゃないかと認識し始めてしまっている始末だ。

さて。

蓮理に呼ばれている10時20分まで、ざっと1時間半位の時間はある。

菜穂は午前中シフトが入りっぱなしらしいし、真礼も準備と接客に忙しいよう…。

実の私といえば──


「羽音!!羽音は一番出来のいい男装だから一番客の多い時にシフトいれたからよろしくね!それまでの接客はこっちでやっとくから頼んだ!!シフトまではどちゃ遊んで来ていーよ!」


となんとも言えない早口で真礼に言われ、今廊下をとぼとぼと歩いている。

周りからは「あれ誰?」「あんなちっちゃいのいた?」「白衣だし保健室の?」という声が聞こえてくるけど誰も声掛けてくれないんだ。

どうするか。


とりあえず見て回りたいな。


そう思ってふらついた先が『写真館』という出店なのかどうなのかよくわからない所だった。










恐る恐る入ってみると、教室のような狭さではなく、割と広かった。講義室だ。

写真を撮るためのセットもしっかりと整ってあるし、人数も多かった。

カップルの記念撮影とか、隣の部屋のクラスのコスプレ館のコスプレの撮影とかとか。今まで撮った写真を飾ってあるのはもちろんのこと、写真の撮影までしてあった。

撮影者は写真部。

県内でも有数な部活で大会にもよく出ているそう。


ただ、カップル多いわコスプレ多いわでかなりの場違い感が漂ってしまった。

とっさに部屋から出ようとしたとき。





『パシャッ』





撮られてしまった…??






「あ、なんかかっこよかったんで取っちゃいました!」

「えっと…あ、や、あのっ」


キャッキャした髪の短過ぎないボブの女の子はカメラ片手に笑顔で笑っている。

──あ、かわよ。

素直に思った。

名札の色が青色だった。
二年生かな?


私の学校では制服の時は名札、体操服の時は体操服そのものの色で学年の区別を付けている。

今年は一年が 緑。
二年が 青。
三年が 黒。

黒色は当たり年と言われていて、理由としては落ち着いててかっこいいし大人っぽいから!らしい。


「もっと撮らせて頂けませんか?」

「いい…ですけど…」


私がそう言うと、二年の女の子は嬉しそうにしながらカメラを構えた。


「なかなかのイケメンですね!割と童顔ですけど!」

「童顔…」

「あわわっ!悪い意味なんかじゃないですよ!可愛らしいお顔でってことです!」


それが褒められているのかどうなのか…。
今男だと思われてるから…どう…。


「あーめっちゃいいです、やばいです、!」


やたらと褒めてくれる、この子。


「次もっとこう…壁にもたれて下さい!イケメンな感じで!!」


と注文されたから、イケメンな感じというのは分からなかったため、それらしくもたれてみた。


「んあ〜っ!!完璧ですよ!!これだけで写真集出せます!!ざっと30万部突破ってとこですかね!!!」

「30万部もわた…俺の写真でとれるかな…。」

「もちろんですよ〜!!」


難しい…この子の扱い方が…。



「盛り上がってますね」


聞き覚えのある声だった。
落ち着いた優しい例の声…。


「坂川先生〜!!」

「えっ」


あまりの衝撃に声が出てしまった。


「白野さん…いらっしゃったんですか。記念撮影ですか?白衣の」


坂川先生はニヤリとしながら冷やかし気味に言ってきた。



「違います、!ふらっと立ち寄って気づいたら撮られてたんです!!」

「ははっ、分かってますよ、すみません」



「坂川先生…この方のこと知ってるの?」


隣で私と坂川先生の会話を見ていた二年の女の子はキョトンとして聞いている。


「三年生ですよ、その子。」

「え!? あ、そうだったんですか!!」

「まぁ…そうだったんだよね、」

「てっきり新しい保健室の先生かと…💦」


二年の女の子はあわあわし始めた。
多分なんやかんやでこんがらがってるんだろう。
そんな女の子を「大丈夫ですよ」坂川先生は落ち着かせる。

落ち着いた女の子はケロッと変わり、


「ちょっと私の趣味につきあって頂けません?」



嫌な予感がした──