無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第25話

天然な頬と男心
「あっ、あのっ、先生…?」


その格好は変わらない。
未だに私は先生の腕の中。
ただ、数々の生徒の声が溢れ始めていた。


「他のみんなも…来た…みたいです…。」

「そうみたいですね。」


先生もやっと気づいたらしく、ゆっくりと腕を下ろした。それと同時に私も躊躇いながらも腕を下ろした。


「顔、メイクしなくても真っ赤ですよ」

「そういう先生だって真っ赤です…」


先生は手を自分の頬に当てて「そういうのは見てはいけませんよ」と笑っていた。そして隣に置いた白衣を持った。

前に試着した時のように、優しく着せてくれた。

ただ、前と違ったのは、先生の手が明らかに震えていたこと。潤んだ、美しい目をしながら白衣を私に着せてくれていること。

保健室から出る、最後の最後まで優しかった。



「では先生、ちゃんと私のクラスの出店にも来てくださいね!」

「もちろんです。盛大に楽しんで来てください。」


と、笑顔の先生を見て保健室を後にした。



廊下を歩いていると、たくさんの生徒とすれ違った。もちろん顔見知りも。蓮理の姿もあったし、それに声までかけられた。
それによく気がついたものだ。

白衣を来ていて、まるで違う髪型をしているのに。


「なにそんなに顔赤くしてんの?」

と。

「別に、、、。」

「なんかあった顔してるな?」

「し、してない!し…!」

「嘘下手なのは、相変わらずなんだな。」

「うるっさいなぁ…」


「てか、どしたの、その髪と白衣は。」

「あ、あーこれは…文化祭の出し物で…」

「似合わねぇの。」

「坂川先生にセットしてもらったんですー!」

「あいつに?ふーん…こういう趣味をもってるとはなぁ」


蓮理は少し煽るように言うと、私の髪…いや、ウィッグを触った。


「髪セットしてもらったのと、この白衣借りた…、それだけ?」

「それだけ…って?」

「いや、なんでもない。ほら!」


と言って蓮理が私に渡したものは折り畳まれた大学ノートの紙一枚だった。
見えている限りは何も書いていない、そんな普通の紙だった。

けど、パラッと開けてみると、割に乱雑な字で『10時20分に俺の店な』と書いていた。


「分かったけどこれいつ書いたの…」

「朝家を出る20秒前」

「んまぁそんなこったろうと思ったわ」


私は貰った紙を白衣のポケットにしまった。
そして「んじゃ、」と言って、蓮理の元を離れた。


白衣を整えて、肩をくすめて微笑んだ。


その理由はなんだろう。


今の今は蓮理と話してはいた。


けれどふと頭を過ぎるのは──















教室の扉を開けると、みんなの性別が分からないほど、見た目が違った。