そう言って私の目の前に置かれた、
少し溢れるくらい酢飯の上に
こんもりとネタがのったイクラ
大将に出された卵を
少し切り、箸でこちらに
差し出してくれる乃依
不意の行動に口を開け、
乃依から直接一口もらう
なぜか朝日が
悔しそうな顔をして
乃依の方をじっと睨む
乃依はそれに対して
ニンマリと勝ち誇ったような
笑みを浮かべている
あれだろうか、
男と男しかわからない、なにか
重要な勝負か何かしているのだろうか(違う)
女将さんにそう言って
渡されたのは、鉄火巻きだ
うんうん、と
首を激しく縦に振る朝日
しんどくなくて、辛くなくて
特に抱え込まないといけないことも
繕わないといけないこともなくって
息がしにくくなくて、むしろしやすくて
居心地が良くて安心できる雰囲気で
ほっと一息つけるような、
特に問題は何もないような
例えそれが一瞬のものだとしても、
私はその一瞬が嬉しいし大好きだし、
ぶっちゃけその為に生きている
いやでも時々脳裏によぎる
一緒にいる相手が実は今、
全然楽しくなくて帰りたかったら?
あたしのことが嫌いで、
一緒にいたくないっていうのが本音だけど、
言い出しづらくて我慢して遊んでる…とか
あたしが楽しいのはどう考えても
紛れもない事実ではあるんだ
だけど、だったら相手も楽しい…とは
自信を持って言うことができない
顔を引き攣らせ、
お互いに顔を見合わせる乃依と朝日
何かまずいことを言っただろうか、
冷や汗をかきながら謝る








![駒沢兄弟は幼なじみがいました!?[R18じゃないよ!?]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/ZbYAPyUVrEP3TLKzNe0AAItD6td2/cover/01KGC150Z3S86119MWGHHYHB65_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。