2019年、春
私は高校生になった。
「はぁー、ねんみ。」
ダッダッダッ
「ねぇまってよあなた!」
「……あ。」
初日からガッツリ寝坊してるこいつの名前は
村田祐基。
小さい頃はすごくかっこよかったのに
なんか年々馬鹿になってる。
「あ。じゃない!酷いじゃないか!!僕を置いていくなんて!!!」
「そっちが寝坊したのが悪いんでしょ?」
「起こしてよ!」
「いやいちいち起こしに行かんわ小学生じゃあるまいし」
「僕は待ってたんだぞあなたのこと!」
「はいはい、言い訳はいいから。遅刻するよ?」
「遅刻はやだぁぁぁぁ!!」
「うるさい、早く行くよ──」
キーンコーンカーンコーン
「あ、」
「うっわ…」
「やばいやばいやばい!なってるよあなた!!!」
「はいゆうきのせいだー。」
「えぇぇぇぇぇぇぇ、ごめんんんんん」
「帰りなんか奢りなさい」
「かしこまりましたあなたさま…ショボン」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。