目を開けると周りが真っ黒だった
ここ…幼稚園か
確か先生に外で遊んでなさいって言われてた
遊ぶ……遊ばなきゃ…他には何も言われてない
「キョロロロロ」
………
「ピロロロロ」
そういえばなんで夜なんだろう
後ろから足音が聞こえてくる
そう言われて抱きかかえられる
この人の言葉はわからなかった
でも自分より年上だろうからきっとやらなきゃいけないこと
また1人増えた
そう言ってさっき来た人はまた帰って行った
やっぱりなにをするのかわからない
そして目の前を覆ったのはでかくて気持ち悪い得体の知れない生物だった
そのでかい生き物に対抗するかのようにでかい生き物を出して一瞬で飲み込んだ
と言っただけだった
それが私に残っている唯一の記憶
4歳の時の…かなり幼い記憶だがそれしか残っていない
誰だったのだろうあの人は
「ほら、あなたの名字28ページから読めってさっきから言ってるだろ」
クスクスと笑う声がする、なにか面白いことでもあったのだろうか
28ページから読む、これが命令
「もういいぞー、席に座りなさい」
また笑う声がする
窓の外には白い鳥…珍しいな、羽ってどんななんだろう、飛んでると疲れるものなのかな
「お、お前あなたの名字それはなんだ…!」
「どうやったら…授業中に羽が生えてくるんだ…!」
自分の背中を見ると、白い柔らかいものがついていた