あの日から、あなたとは連絡が取れなくなった。
留学すると言っていたし
別れを選んだし
当然かもしれないけど、全く連絡を取り合わないなんて聞いてないよ
暫くは腹立ってなんだよって自暴自棄になったりして。
自分のせいなのに本当身勝手すぎるんだけど。
あなたの実家にコンサートのチケットを送っても住所不明で戻ってきて、あぁ本当にもう会えないかもって思ったら逆に落ち着けた。
仕事に突っ走りながらもそれなりに恋愛の経験値は貯まった。
なのにどうしても比較してしまって長くは続かないんだ。
やっぱり初恋拗らせると良くないな笑
もう一生俺は独身かもと諦めながら、どこかで期待もしていたらしい。
あなたは、あのメッセージに気付いただろうか。
ちゃんと見たかな。
そして覚えてるかな。
年々タイムリミットが近づいて来ると大きくなっていく期待と不安。
会ってどうしたいとか
復縁するとか
そんなことは二の次三の次で。
だって彼女はもう決まった相手がいるかもしれないし。
そうじゃなくて、ただ
50%から100%になれた報告をしたいだけなんだ。
半人前だった俺たちが一人前になれた、2人が別々の道を進んでる間のそんな人生の話を、またあの公園でキミとしたい。
「ご機嫌ですね」
バックミラー越しにマネージャーが笑った。
なんだか今日は気分がいい。
何か特別なことがあったわけじゃないけど。
強いて言うなら、あと1ヶ月後だななんて思うだけ。
ふっと笑って徐に窓の外に目をやった。
夕刻のソウルの街は人が大勢出ていて、生き急いでる会社員や子どもたち、遊んだ帰りの大学生と赤ちゃんを連れたお母さん達が見える。
その中で、何故か俺の目を引く女性がいた。
一瞬で目を奪われて息が止まる。
思わず大声を出しながら窓に手をつけた。
目を凝らしてみるけど間違いない。
そもそも俺が見間違える訳がない。
証拠も確かにあるんだよ
彼女の腕につけられてる、15年前の腕時計。
『50%のキミ』
fin.












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。