数年後
私は、製菓学校を卒業し、一流パティシエールになるため、フランスに留学した。
そして今日から自分のお店がオープンした。
オープン初日だけど、たくさんのお客さんが来て、たくさんのケーキが売れた。
辺りを見るとだいぶ暗くなってきている。
そう思ったときだった。
誰かお客さんが来た。
そこには、あの高校生のときと変わらない佐東くんの姿が。
佐東くんと…!?
一瞬戸惑った。だけど、私の心はすぐに決まった。
その後、私たちは結婚した。
いじめられていて、佐東くんに助けられて、そして佐東くんを助けることになって、開業して、佐東くんと結婚することになるなんて誰も思ってもいなかった。
もちろん、私も。
この先も、何があるかわからない。
でも、きっとたくさんの物事に出会えると思う。
だから、私はこれからもたくさんのことをやって、たくさん学ぼうと思う。
だって、夜空の向こうには知らないセカイが待っているのだから。
fin
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!