第11話

壊されるセカイ。
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2021/09/26 03:55
佐東 凛斗
やめて!!!!!!

そう言ったときクラスは静寂に包まれた。

そして誰しもが言葉を失った。

さっきまでからかっていた人も。

ただ見てるだけのクラスメイトも。

私も。

彼も。
モブ
何。

その一言で静寂が切り裂かれた。
モブ
何を言ってるの?
モブ
やめてって、何を言ってるの?
モブ
私たちは沙羅ちゃんと遊んでるだけだよ?
モブ
そうだよね??沙羅ちゃん??

そんなの嘘だ。

そんなの誰しもがわかってる。

おかしいって。

遊んでないって。

でも、そう言えない。

だって。

だって。

それしか逃げる手だてはないのだから。
井上 紗羅
う、うん…。
モブ
勘違いだよー佐東くん。
佐東 凛斗
そ、そっか。
モブ
それより佐東くん!一緒にご飯食べない?
佐東 凛斗
えっ…。
モブ
あいつと関わってたっていいことないからさ。

はっきりと聞こえた。

佐東くんはこっちの方をちょっと見た。

そして
佐東 凛斗
ごめん。

と言った。
モブ
なんでよーーー!
モブ
まさかあいつと食べるんじゃないよね?

私と佐東くんを引きはなそうとしてる。

そして、佐東くんはごめん。とだけ言って、教室を出た。












と思った。












佐東くんは私に耳打ち際で
佐東 凛斗
逃げて。話はあとでする。
といい残した。

そして、私はその場から消えるように立ち去った。

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