第2話

いつものセカイ。
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2021/07/17 00:22
井上 紗羅
いってきます。


そういって、私は家を出る。


いつも通っている見慣れた道。


いつもよりも出るのが早かったのか、1分程早く駅についたようだ。


そして、最寄り駅で降りる。


学校に行くということに対して、ずっと憂鬱な気持ちは変わらない。


正しく言うと、学校に行くのが辛いということだ。


決してダルいとかいうことではない。


みんなとは違う環境下に置かれているためだ。


まぁ、どれもこれもいつものことだ。







校舎内に入り、リュックから上履きを出す。


私が置かれている特殊な環境に順応するための対策だ。


今日のところは幸い、まだなにも被害はなさそうだ。


そして、教室に入る。


井上 紗羅
はぁ…。
机の上にはいつものように落書き。


壁には私への誹謗中傷の言葉が書かれた貼り紙。


そして、それを見てみぬふりをするクラスの人。



いつものことながら、胸が苦しくなる。

井上 紗羅
いつものように剥がすか…。



そうして、私は誹謗中傷の貼り紙や机の上の落書きをいつも通り消していった。


全部消えたはずだが、心の傷は消えそうにもなかった。
モブ
まーたやってるwww
モブ
それな?www
モブ
いいかげんどうやったらいいか、学習しろよーwww


あからさまに私に向けられる矛先。

井上 紗羅
いつものことだし…。


とはいえ、やっぱり辛い。


何かを言い返したところでメリットなんてないし、逆に私がやられてしまうだけだ。


あいつらに逆らうことなんて出来ない。


そんなこんなして、授業が始まった。
先生
それでは、河東さん。
河東 柚夏
えー。ゆずか分かんないなぁ
モブ
そーれは仕方がないね!

いつもの出来ないアピール。

先生
河東さん。お願いします。
河東 柚夏
まぁ、いいや。優しいからやってあげる。

そんなこんなしているうちに授業が終わった。
モブ
ねぇ、次さー
モブ
www

人々の話し声。


私はその空間から逃げるようにして次の教室へ向かった。

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