前の話
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それから約3時間。
適度に休憩を交えつつ、練習試合をいくつか行った。
その間、白布先輩は、ほぼ集中を切らしている状態だった。
白布先輩の大事な合宿を私が台無しにしてしまっている……。
昼と同じ説明を繰り返す。
その後は顧問の指示により、宿泊所へと移動となった。
白布先輩は、疲れ気味にそう言った。
ん?
白布先輩かと思って返答をしたその人は
まさかの瀬見先輩でした。
どう誤魔化そうかと焦っていると、瀬見先輩が一言。
おい先輩。今笑いやがったな。
待って待って、このままじゃ私厨二病のイタいやつなんだけど。
え、これってこのまま誤魔化すべき??
先輩!?
誤魔化そうとは思ってたけどこれは違う。
これは違うんです。
瀬見先輩は私の肩にポンッと手を置き、そう言い放った。
先輩、それはどっちのわかってるですか。
絶対わかってないやつじゃないですか。
ぜんっぜんフォローになってません。
というか違います。
おいこら、ちょっと顔から笑みこぼれてるんですけど。
必死に笑うの我慢してるの見えてるんですけど。
瀬見先輩は少しずつ後ずさりをしていく。
……やばい
なんて説明すりゃいいんだ。
瀬見先輩は本気で私を心配する目で
……本気で殴ってやろうかと思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。