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第1話

66話
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2021/12/30 13:46



それから約3時間。



適度に休憩を交えつつ、練習試合をいくつか行った。






その間、白布先輩は、ほぼ集中を切らしている状態だった。



白布先輩の大事な合宿を私が台無しにしてしまっている……。
鷲匠 鍛治
今日の練習は終わりだ
鷲匠 鍛治
あとは顧問やマネの指示に従って動け
バレー部
はい!
(なまえ)
あなた
この後は体育館から各自荷物を置いた部屋へ移動し、自由時間となります
(なまえ)
あなた
夕食の時間になったら昼食を食べたときと同じ場所へ移動してください
(なまえ)
あなた
原則として、夕食と入浴以外の外出は禁止です



昼と同じ説明を繰り返す。



その後は顧問の指示により、宿泊所へと移動となった。
白布 賢二郎
あなたの名字は結構気抜いてんのな
(なまえ)
あなた
そう見えます?
白布 賢二郎
あぁ
(なまえ)
あなた
……
(なまえ)
あなた
そういう風に見せるのが上手くなったって事ですかね
白布 賢二郎
……慣れてんなぁ



白布先輩は、疲れ気味にそう言った。
(なまえ)
あなた
……慣れはしてないです
(なまえ)
あなた
いつ来るか気が気じゃないですもん
瀬見 英太
誰が?
(なまえ)
あなた
そんなの殺し屋に決まって……



ん?
瀬見 英太
へ?



白布先輩かと思って返答をしたその人は
(なまえ)
あなた
あ、瀬見先輩!?



まさかの瀬見先輩でした。
白布 賢二郎
……俺は知らないからな
瀬見 英太
えっと……どういう……?
(なまえ)
あなた
え、っと……



どう誤魔化そうかと焦っていると、瀬見先輩が一言。
瀬見 英太
……厨二病?
白布 賢二郎
プッ……



おい先輩。今笑いやがったな。
瀬見 英太
い、いや、触れちゃいけなかったよな
瀬見 英太
なんかごめん
(なまえ)
あなた
えちょっ……



待って待って、このままじゃ私厨二病のイタいやつなんだけど。



え、これってこのまま誤魔化すべき??
白布 賢二郎
そうなんですよ……w
(なまえ)
あなた
……白布先輩?
瀬見 英太
大丈夫だから
瀬見 英太
俺何も聞いてないから



先輩!?



誤魔化そうとは思ってたけどこれは違う。



これは違うんです。
(なまえ)
あなた
瀬見先輩、これは誤解で……
瀬見 英太
わかってるから、な?



瀬見先輩は私の肩にポンッと手を置き、そう言い放った。



先輩、それはどっちのわかってるですか。



絶対わかってないやつじゃないですか。
瀬見 英太
俺もそう思いたくなる時期があったような気がしないでもないぞ?



ぜんっぜんフォローになってません。



というか違います。
(なまえ)
あなた
瀬見先輩、ちょっと待って下さい
瀬見 英太
なんだ?



おいこら、ちょっと顔から笑みこぼれてるんですけど。



必死に笑うの我慢してるの見えてるんですけど。
(なまえ)
あなた
1発殴ってもいいですか?
瀬見 英太
なんでだよ!?
(なまえ)
あなた
いえ、誤解が解けないなら物理的に解かそうかと
瀬見 英太
あなたって……たまに奇行に走るって言われねぇ?
(なまえ)
あなた
言われません



瀬見先輩は少しずつ後ずさりをしていく。
瀬見 英太
わかった!
瀬見 英太
わかったから!
(なまえ)
あなた
ふう……わかればいいんです
瀬見 英太
でも、誤解だって言うなら、さっきの殺し屋って一体……
(なまえ)
あなた
それは……



……やばい



なんて説明すりゃいいんだ。
白布 賢二郎
なんか
白布 賢二郎
部屋出ちゃいけないっていうのは殺し屋が出るかららしいですよ
瀬見 英太
……あ、え、まじのやつ?
(なまえ)
あなた
……元々ここら辺住んでたので
(なまえ)
あなた
ちょっとした情報は入ってきます
瀬見 英太
……



瀬見先輩は本気で私を心配する目で
瀬見 英太
あなた……もしかして頭打ったりしたか?



……本気で殴ってやろうかと思った。

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