琵琶side
あの子が生まれる前の話
私は裕福な家庭だったのかもしれない。
許嫁がいてその人とは政略結婚でも愛し合っていたと思う。
でもある日愛する人が殺された。
そして、私のお父さんも殺された。
そこから、私は途方に暮れていた。
ある日、散歩をしていたらいつの間にか路地裏に来ていてそこである男に出会った。
名前や顔はもう覚えていない。
でも、クズだった。
私は無理矢理子作りされ抵抗しようにも出来なかった。
そのクズとできた子供があなただった。
その頃の私はどうかしていて、クズ野郎のことを愛していた
私の弱みをに完全につけ込まれていてそんな私にとって唯一の生きがいだった
でも、子供ができてからは暴力が絶え間なく私は必死な思いであなたを幸せにする方法を考えた。
生まれてしまったらこの子は死んでしまう。
だから、体が強くなったら捨てようと。
音信不通だった私が実家に突然帰ってもこの子を育ててもらえるわけがない。
だから、捨てるという選択肢が私の中の1番幸せにできる方法だった
あのクズ野郎は私と別れてから借金取りに殺されたみたいだ。
クズがいなくなってからずっとあなたを探していた。
あなたを見つけた時笑っていた。
安心した。
でも、愛なんか感じられなくてこの子は何も知らないんだとわかった。
そして、今、私が取り戻しにきているという事。
バサッ
ドカン
あなたは腹部や背中を殴られた
それでも、何度も立ち上がる
あなたが私を戦闘に参加させなかった
それは、何か策があるのか
それとも、弱点を見極めろということなのか
どちらにせよ、私の得意分野だ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。