速水あなた、今日から高校生ですっ!
はぁー楽しみ!高校生になったからには色んなことしようって決めてたんだよねぇ〜♪
まひろと旅行とかもしたいなぁ…
あーわくわくだよぉ!
彼女は杉山まひろ。
私の親友。
桜吹雪と共に日差しに照る茶髪がすごく綺麗。
毛先は巻かず、とてもストレート。
その髪でこそ彼女の魅力。
長いまつ毛に、白い肌に。細くて綺麗な身体。
こんな子だったら素敵な出会いがもっとあったんだろうなぁ…
とても強引に腕を掴まれた私は、嫌々教室へ行くと、女子の人だかりができていた。
ジャニーズだからってこんな集まるか普通!?
通れないんですけども…
あーあーあーあーもう争いになってんのね。理解。
えぇあんなキザに引っかかるやつとかいんのかよ!?
今時はよぉわからんなぁ…
気がつくとまひろもあの男どもに群がる女子の輪の中に入って、完全に見失ってしまった。
辺りを見渡しても、女子、女子。
スーパーのバーゲンセールに群がる主婦じゃないんだから…←
私の席はどこだろう。早く座りたいな。出来ればあのJUMPっていう人とできるだけ近くないところで…
あー、JUMPさん全員左側行ったのね。左側…ひだ…り…まさか…ね←
私は男嫌いだが、隣の人に話しかけてみた。
何を言っているのか分からない。
私は大きな声でそう言い、不意に立ち上がってしまった。
うぅ、クラスの人の視線が痛いよぉう…
うわぁぁぁぁ!!何も悔いのない高校生活がもう崩れてしまったァァァァっ!!これもうみんな私の事変人扱いだよねぇ!?大人しい子には戻らないよねぇ!?
私は後悔と屈辱に顔を赤面させ、手で覆い隠すようにして席に座った。
クラスのほとんどが笑っていた。
この行動で。
なぜここで女子が騒ぐのか。意味がわからないぞ。
つか私劇団四季入ってるとか言ってないんだけど。学校まで来て練習するやつがどこにいるんだよ(( しかも登校初日に…
何だこの人達。
そういうとさっきの私のように顔を赤面させ、黙りこくると席に座った。
うわっ!
前の人から回されたプリントはちょー適当な回し方で、プリントがバラバラになって落ちてしまった。
キーンコーンカーンコーン
はぁ…やっと帰れる。JUMPに囲まれるわ女子に睨まれるわもう疲れた…確かまひろは私の席の近くだったよね。一緒に帰れるかな?
カバンを持ち、靴を履き替える。
入学式とは別、授業まであったもんだからもうクタクタだよ…
日照りが校庭を照らしている。
こういう景色がいいんだよなぁ、ここは。
しみじみしたところで歩き出す。
桜並木が綺麗…
朝は雨が降っていた為、やんだ今は水たまりができている。
青空が映る水溜まり。その上に浮かぶ花びら。
その光景を目に入れた瞬間、あることが私の頭をよぎる。
私は猛ダッシュでアスファルトを走り抜けた。
こう見えても足の速さには自信があるのだよ( •̀ω•́ )✧
って、そういうことじゃなくって!!
今日はシェアハウスに引っ越すんだった!!!!
早めに挨拶しないと迷惑だし、早く帰ってこいって叔母さんに言われてるんだったァァァァ!
私は両親が居ない。小さい頃からそうだ。
遠くへ行ったと叔母から言われたが、成長した頃にはなくなっていた事実を知った。
今更だ。
だから今は叔母と二人暮らし。
しかし、叔母のお金も多くはない。
だから私がバイトで汗水を流して手に入れたお金を叔母に渡し、生活費が少しでも浮くようシェアハウスに住みたいと願ったのだ。
そして普通のシェアハウスとはずば抜けて大きい所に住まわせてもらうことになったの!
そこはどうやらお金持ちらしく家賃だって払わなくていいそうで!
なんて夢のある話。
まぁ、最初に住む時はさすがに払うけどね。私でも。
つか、払うなって言われても無理だっつの。
ってか早くしないとぉぉぉおお!!
あなたside〜
よぉぉぉし!!着替え完了!!!!お金も持ったし、荷造りもした!!あとはこのスーツケース片手にシェアハウスに突っ走るだけだ!!!!
あなたside
はぁ…はぁ…やっと着いた…庭広すぎだし!!!
つかインターホンまでどれくらい距離あんの!?
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はい。第1話からクズっすね。
あ、自分、作者っす。私最近暇な時が多いので更新頻度が早いかもですけど、読んで頂けたら嬉しいです。では!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。