よし。ひかの分のぴーたんのアイシングクッキーと小さいマフィン、ラッピング完了!アイシングの腕には自信があり、我ながら上手くできた方だと思う。
後はこれを渡すだけなんだけど…今、ひかどこに居るんだろ…
あっ、そっか。あの人、まだ部活だ。
じゃあ学校まで行こーっと。
私は私服のまま自転車のカゴに小袋の入った紙袋を乗せ、自転車で学校へと向かった。
あれーっ、もう部活終わるから校門で待ってればすぐ来ると思ったんだけど…
私は校門で待っていたが、10分過ぎても来なかった為、家で待つことにした。
その、帰り道。
河原に座り込んで何かを話していたひかと隣のクラスの女子が目に入った。
なんだろう、この気持ち。
何かが湧き上がって、胸の中をぐるぐるしてる。
_____嫉妬?
光はこの前、私と一緒にここの河原でアイス食べながら話してたっけ。
「お前と居る時が1番だわ笑」なんて、クシャって笑う光に不意にも胸を高鳴らせた私。
あの子が光の何なのか、私には分からない。
そこで私がどうこう口出しする権利なんてどこにだってない…けど。
何故か今の私は、自分で自分の言うことを聞かなかったみたい。
光の長袖のシャツの袖口を軽く掴んで引っ張る。
私の顔を数秒見つめた後、光は私の手を取り、隣に座っていた女の子に軽く手を振ると、私の自転車を引いて河原とはだいぶ離れたところにあるベンチへと誘導すると、座れ、と言わんばかりに隣を空けて座る。
隣に座っていた光は、片手を広げた。
私は光の肩に頭をくっつけた。
私は体の向きを変え、光の肩に頭をグリグリと擦り付けるようにして、
こう言った。
光はクッキーを頬張りながらも、私の頭をポンポン、と撫でてくれた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!