第21話

文化祭[完]
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2020/01/13 04:49
ナレーション
ある家に、優しい娘がいました。
娘のお母さんが亡くなった後、
新しいお母さんと2人のお姉さんがやって来ました。
しかし、お母さんと姉さんたちは、
優しい娘に意地悪ばかりしました。
みすぼらしい服を着せ、毎日、
洗濯や床磨きをさせたのです。
暖炉掃除で灰だらけになる娘を
「シンデレラ」と、からかうようになりました。
シンデレラは「灰被り」という意味なのです。
私は地毛と同じ色の三つ編みのされているウィッグを被り、灰色に染まったバンダナを頭に巻き、灰被りになって隣にあるバケツに溜まった水を床にかける動作をし、ブラシで床磨きをした。
あなた
あなた
私も、可愛いお洋服が着たいわ。
ナレーション
ある日、お城から、舞踏会の招待状が届きました。王子様の結婚相手を探すため、国中の娘たちが招かれたのです。
2人の姉さんはウキウキと支度をして、シンデレラに言いました。
雄也
雄也
あんたはみすぼらしいから無理よねぇ。
侑李
侑李
うちで、掃除しているのがピッタリよ。
ゆーやはさすがと言っていいほどのオネエっぷり。侑李は可愛い女装がとても似合っている。
ゆーやはお姉様って感じ。
2人は私を見下してそういった後、舞台裏へと消えていく際に
「頑張れ」と合図を送ってくれた。
ナレーション
姉さんたちが出かけたあと、シンデレラは
暖炉の前で泣きだしました。
我慢していた気持ちが溢れたのです。
すると、この家の妖精が現れました。
あなた
あなた
うぅ…ヒック…
すると、暖炉の前で座ってる私に、暖炉の上から慧が現れた。
妖精とは思えない登場に、お客さんも笑っていた。
慧
本当は舞踏会に行きたいのですね?
ナレーション
シンデレラは  びっくりしながらも
頷きました。
慧
ではかぼちゃを取ってらっしゃい
ナレーション
妖精が言う通り、シンデレラは畑から
大きなかぼちゃをとってきました。
あなた
あなた
これで、いいでしょうか?
慧
ええ、十分ですよ
ナレーション
妖精が持っていた杖でかぼちゃを叩くと…
ここでスモークが辺りを白く染めた。
その瞬間に、私はウィッグを外し、別のウィッグを被り、みすぼらしい服はマジックテープになっていて、中にはドレスを着ている。なので後ろに回ってきた黒子のクラスメイトたちがありえないほどの速さでマジックテープを外し、あっという間にドレスになる。
そしてガラスの靴を履かせられ…という間にも、
背景が変わっていたり、かぼちゃの馬車や馬、家来達がもう既に揃っていた。
あなた
あなた
わぁ…!すごい!
ナレーション
かぼちゃは立派な馬車に早変わり。
続いて妖精は、6匹のネズミを6頭の馬に、6匹のトカゲを6人の家来に。
そしてシンデレラの服を素敵なドレスに
変えました。
最後に、ガラスの靴を渡してにっこり微笑みます。
慧
さぁ、楽しんでいらっしゃい。
ただし、夜の12時までには帰ってくるのですよ。
12時を過ぎると魔法が解けてしまいますからね。
そう言ってステージが暗くなり、背景がお城へと早変わりし、たくさんのクラスメイトたちがお城に招待された姫になって登場し、魔法使いの慧は私の肩を優しく叩き、
ニコッと微笑み、舞台裏へと消えていく。
ナレーション
シンデレラがお城に入ると、
パーティー会場がざわめきました。
女子
あんな綺麗な方、見たことないわ
女子
どちらのお姫様でしょう
ナレーション
美しいシンデレラを見た王子様は、
シンデレラに一目惚れ。
涼介
涼介
なんと美しい…
涼介
涼介
僕と踊ってくれませんか?
私は驚きを隠せなかった。
涼介の王子役の姿は見たことがなく、
出てきた瞬間に見とれてしまった。
なんてカッコイイのだろう…
私はそれを顔に出さずに次のセリフを言う。
あなた
あなた
…はいっ(ニコッ
観客は大盛り上がり。
女子
速水さん可愛い〜♡♡
女子
ぎゃぁぁぁぁあ!!!!涼介くぅぅぅうん!
(尊死)
女子
やみやま(速水×山田)尊い!!!!
あなた
あなた
(な、なんじゃそのカップルは…)
ナレーション
軽やかに踊る2人を、会場の人々は
うっとり眺めました。
ナレーション
やがて、12時の鐘が鳴り始めました。
あなた
あなた
いけない、約束の時間だわ。
ナレーション
シンデレラは慌ててお城を出ました。
脱げた靴もそのままに、階段を駆け下ります。
鐘が鳴り終わった途端、馬車はかぼちゃに、
馬と家来はネズミとトカゲに、
ドレスはみすぼらしい服に、
戻ってしまいました。
ナレーション
王子様はシンデレラの後を追いかけましたが、
どこにも姿が見えません。
階段に落ちていたガラスの靴を
拾うと、王様に言いました。
涼介
涼介
「私は この靴の持ち主と結婚します」
あなた
あなた
(えぇっ!?大ちゃん目立たない役とか言ってたくせに王様役やってんじゃん!!!!
私を心配させないために目立たない役とか
嘘ついたのかな… 意外と優しいんだ。
それにしても、やっぱやりたかったのかな…笑)
大貴
大貴
国中の娘にガラスの靴を合わせよ〜!!!!
あなた
あなた
(あーあー、調子乗っちゃってる笑)
ナレーション
王様の命令で、国中の娘たちがガラスの靴を合わせる事になりました。シンデレラの家にも
家来が来て、ガラスの靴を差し出しました。
姉さんたちは無理やり履こうとしましたが、
ちっとも足がはいりません。
家来は部屋の隅にいたシンデレラにも、
足を合わせるよう勧めました。
ナレーション
シンデレラが足を入れると、ぴったり
収まります。
そこへ妖精が現れて、シンデレラの服を
ドレスに変えました。
お母さんと姉さんたちはびっくり。
雄也
雄也
シンデレラが
あのお姫様だったなんて…
ナレーション
シンデレラは馬車に乗ってお城へ行きました。
王子様がシンデレラを迎えました。
涼介
涼介
これからは、
ずっと私のそばにいてください
すると涼介は優しい顔で私に口付けをする。
台本では涼介が顔を傾けて私に口付けするとの事だが、涼介は私の頬に手をやり、
私の顔をクイッと上へあげ、口付けをする。
台本とは違うキスの仕方に、私は赤面せざるを得なかった。
あなた
あなた
はい…!
あなた
あなた
…///////
ナレーション
すぐに、2人の結婚式が開かれ、
国中の人々がお祝いしました。
そして劇は幕を閉じた。
女子
改めて〜…お疲れ様〜!!!!
皆がグラス同士をカランと優しく合わせあう。
女子
あとはメイド喫茶と執事喫茶ね〜!!!!
そして皆、教室へと向かい、男子は教室の半分を執事喫茶として使い、女子はもう半分をメイド喫茶として使う。真ん中には仕切りが置かれ、お互いは見えないようになっていた。
私はメイド服に着替えるが、
(イメージ)
あなた
あなた
(ろろろ、露出度高すぎじゃない!?)
私は1人、更衣室で自分の中で意見をぶつけ合う。
あなた
あなた
む、無理すぎる…////
女子
ガチャ)
ぎゃぁぁぁぁあ速水姫可愛すぎるぅうう
あなた
あなた
ちょ、声でかいって神崎さんっ!!!!
大貴
大貴
うぅ…仕切りの奥であなたのメイド姿が…
慧
お風呂以外でこんなにも
覗きたいと思ったの
初めてだ…
裕翔
裕翔
見たい…焼き付けたい…:(     ́ཫ`):
あなた
あなた
あ、あの…皆…へ、変じゃない?/////
いのあり
( ´ཫ` )グハァ!!!!
裕翔
裕翔
…やば/////
圭人
圭人
スカート、短くね?/////
雄也
雄也
ニーソの加減といい、肌の白さといい…
宏太
宏太
やべ、全部が黄金比やんけ←
光
それなぁ⤴︎ ⤴︎⤴︎
涼介
涼介
…/////
侑李
侑李
やばい、可愛すぎる…((ボソッ
あなた
あなた
そ、そんなに変!?
慧
うんスカートが斜めになってるから
俺が一旦脱がせてあげるから両手挙げて
光
(腹パン
慧
痛い←
大貴
大貴
こんなに可愛かったらネットとかに
口コミでエロいメイドがいるって騒がれて変なおっさんが来て襲われちゃうよ!!!!
慧
ひぃぃそれだけは…
女子
はやみんー、もうすぐ開店だから準備〜
あなた
あなた
はぁーい
あなた
あなた
じゃあね!
そう言い、あなたはカーテンを閉める。
〜開店〜
その瞬間、教室が人まみれになる。
女子
きゃぁぁぁあぁああ!!!!JUMP様の執事喫茶とか尊死するわぁぁぁぁあぁあ!!
男子
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!学園のアイドルとも言われるはやみんがァァァァ!!!!尊い…
慧
そう慌てないで子猫ちゃん♪
女子
きゃぁぁぁあぁああ!!!!
涼介
涼介
ほらよ。注文通り。これ食ったんなら
さっさと帰れよ。
女子
ぎゃぁぁぁぁあ!!!!ドSぅぅぅ♡♡
涼介
涼介
(うわめんどくさ←)
男子
あのぉ…おまじないかけてもらっても〜?
あなた
あなた
も、萌え萌えキュン♡♡
男子
( ´ཫ` )グハァ
〜その後〜
女子
売上やばいよこのクラス!!!!
男子
まじかぁ!!!!うちのアイドルのお陰やん
あなた
あなた
おっさんが私の太ももに
スリスリしてきた…
気味悪かった…
大貴
大貴
え、そいつ羨ま←
慧
殺したい←





そして家に帰った後、私は眺めのいい公園で、満天の星空を眺めていた。
涼介
涼介
こんなとこで、風邪引くぞ。
あなた
あなた
ふぁ!?涼介!?
涼介は缶のコーンポタージュを私に渡してきた。
あなた
あなた
んあーありがと
カチャッ
あなた
あなた
ん〜!!うま!
あなた
あなた
あっ!!キス!!
涼介
涼介
ブフォッ
涼介
涼介
ゲホゲホ) …はぁ?!
あなた
あなた
あ、あの、…台本と本番のキスの仕方が…
ち、違ったからさ…
あなた
あなた
それを聞こうとして、忘れてて…
今思い出したの。
涼介
涼介
違ったから、何?
あなた
あなた
そ、そのぉー…
は、恥ずかしかったの!!!!////
言わせないでよ…////
涼介
涼介
ッ…////
涼介は隣に座っていた私の頭に手を回し、ぐっと自分の腕の中へと抱き寄せた。
あなた
あなた
…//////!?
心臓の音が聞こえそうだった。
私は抱き寄せられ、とっくに涼介の腕の中。
涼介の心臓に手を当ててしまっていて、
涼介の心臓の音はとても速かった。
涼介
涼介
…ッわり…////
涼介は数秒経つと、私を離そうとする。
あなた
あなた
…や。
涼介
涼介
…ん?
あなた
あなた
このままがいい…///
あなた
あなた
ごめん、あと少しだけでいいから…///
自分でもよくわからなかった。
なんだか涼介の腕の中にいると
胸が締め付けられて…
心臓の音が速くなる。
私は、今それを求めてる気がして。
涼介
涼介
…ぜってぇ離さねぇ。
つか、離れんな。
ギュッ
私達の文化祭は幕を閉じた。

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