第6話

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2020/09/29 09:30
椿木 奏
ふあ〜……
今日は寝起きが良くて蓮が来るよりも早く目が覚めた。
毎日蓮と登校するのもあれだし、たまには1人でゆっくり行ってみようかな。
椿木 奏
おはよう
母さん
あら、おはよう。今日は早いのね。
蓮くんまだ来てないけどいいのかしら?
椿木 奏
うん。たまには1人でゆっくり行こっかなって
母さん
あらそう?ならもう少しでご飯の用意終わるから、学校行く準備してきなさいな
椿木 奏
はーい
準備も整い、朝食を食べ終えた俺は家を出て学校へ向かっていると、ちょうど朝練に行く佐々木と会った。
佐々木 螢
あれ?!奏じゃん!実は今からお前ん家行こうと思っててさ!
椿木 奏
おはよう。なんか今日早く起きてさ。
佐々木 螢
まじか〜!じゃあ一緒に行こうぜ!
めっちゃ嬉しい〜!
椿木 奏
あはは、大げさだな




宮國 蓮
奏今日は早かったんだね
宮國 蓮
先に行くなんてひどいじゃないか
椿木 奏
あ、ああ、ごめん
椿木 奏
たまには1人で行こっかなって
椿木 奏
ほら、毎朝起こしにきてくれるのもやっぱなんか申し訳ないし
学校からの帰り道、蓮は朝のことを言ってきた。
何故か佐々木と学校に行ったことは伏せてしまった。
宮國 蓮
だから、それは俺がやりたいからやってるだけっていってるだろ?
椿木 奏
そ、そうだけど……
宮國 蓮
……ごめん、そうだよな
たまには1人で行きたい時もあるよな
椿木 奏
で、でも、ほんとたまにだから
宮國 蓮
大丈夫。俺だって1人で行きたい時くらいあるよ。そういう時は連絡してよ?
椿木 奏
うん。ありがとう……
俺の気持ちを思って言ってくれてるのに、蓮がすごく寂しそうな顔をしている。
本人は隠してるつもりなんだろうけど、長い間一緒にいるから、何となく蓮の気持ちがわかる。
椿木 奏
いつも俺のことばかりで蓮も自分の時間作ってほしくてさ
椿木 奏
たまには俺のこと忘れてぱーっと楽しめよ!な?
佐々木 螢
はは、ありがとう。
佐々木 螢
でも、奏のことを考えてる時が1番幸せなんだ。
俺に自分の時間なんていうのは必要ないんだよ
ん?
佐々木 螢
俺には奏がいればそれでいい
え?
佐々木 螢
だから、俺から離れないで?
なんか、おかしくないか?いや、普通なのか?
幼なじみだからってこういうことは言うのだろうか?
それにこころなしかいつもより艶っぽい表情をしている気がする
椿木 奏
う、うん……
俺は何だか違和感を感じながら、その日はずっと蓮の言葉が頭から離れなかった。

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