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第9話

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2020/11/09 15:24
宮國 蓮
まだ熱あるんだからちゃんと休んでるんだよ?
椿木 奏
分かってるって。もういい加減学校遅れるって
次の日になっても結局熱は完全には下がらず、休むことになった。
宮國 蓮
じゃあ行ってくるね、すぐ帰ってくるから
椿木 奏
わかったわかった。行ってらっしゃい
蓮が出ていくと、途端に静かになった。
特にすることも無いし、まだ熱っぽいしもう1回寝ようかな。



……だめだ。寝ようと思うと中々眠れない。
考えてみると1人になるのは久しぶりな気がする。
蓮とは毎日いたけど学年も違うし、さすがにずっと一緒にいたわけじゃない。でも、最近は今まで以上に一緒にいるような気がするし、佐々木とも前より話すようになったと思う。
俺は一緒にいてくれて嬉しいけど、2人はどう思ってるんだろう。
特に蓮なんてもう何年も付き合ってるし、飽きてきたりしてないだろうか。
……まあそんなこと考えたって俺は2人じゃないからいくら考えてもわかるわけないか。
そう思いながら眠りについた。



目が覚めると時計の針はお昼の12時をさしていた。
さすがに何か食べようと思い、ベッドから出ようとするとスマホの画面がついた。
そこには佐々木からの連絡があった。
佐々木 螢
大丈夫?今日休みって聞いてめっちゃ心配でさ。俺部活あって奏のとこお見舞いに行けないけどちゃんと休んで早くよくなれよ!
佐々木 螢
学校で待ってるから!
蓮からも連絡がきた。
宮國 蓮
調子どう?あと半日で学校おわるからもう少し待っててね
いちいち連絡くれるなんてほんと良い奴らだなあ
俺は返信をして台所へ向かった。
適当にあるものを食べてお腹を満たしてからリビングでテレビを観ていたら、昔蓮とよく一緒に観てたアニメの再放送がやっていた。
椿木 奏
うわっ、懐かしいな。蓮とよく観てたやつだ
最近はアニメを観なくなったから、久々にみて懐かしい気持ちになった
小さい頃から蓮は友達に囲まれてたけど、いつも俺と一緒にいてくれた。
それは今も変わらなくてやっぱりちょっと嬉しい。
でもそろそろ蓮だって彼女とかほしいと思うだろうし、いつまでも俺が蓮のそばにいる訳にもいかないよな。
それに蓮が先に卒業してしまうから遅かれ早かれ離れる時はくる。
俺は多分、多分だけど蓮と離れても寂しくはならないと思うし。
そうだな、あとで家に来た時そんなようなことを話してみるか

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