第7話

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2020/07/10 10:09










目を覚ますと腕に沢山の点滴やらが刺さっていた。
体を起こそうとすると、頭に衝撃が走った。
腕には生暖かい感触があって、
それが包帯だと気づくのにはそんなに時間がかからなかった。
足を動かそうとすると、何かにぶつかった。
かかっていた布団を手で押すと、黒いものが見えた。
その瞬間、それが動いた。
体が痛くて動かせなくて、何かは確認ができなかった。
でもその必要はなかった。
黒いものがよく見えるようになった。
それは彼だった。
そう、たしか私を階段から突き落とした彼。
私は問いかけた。
「ここは……びょう、いん?」
「グ…グ、」
彼は呆れたような顔をした。
ため息をしてから病室を出ていった。
帰っちゃった、そう思って放心状態でいた。
でも直ぐに誰かが入ってきた。
それはお医者さんだった。

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