第48話

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2020/10/04 06:33





彼が乗っていたエレベーターを追いかけるように次のエレベーターに乗った。
いつものようにベルを鳴らして自分の階へつくと、ドアの隙間からすり抜けるようにエレベーターから降りた。
走って家の方へ行くと、ドアがちょうど閉まったところだった。
私はそれを追いかけるように走った。
ガチャッ!
私は勢いよくドアを開けた。
ドアを開けると彼は玄関で靴を脱いでいるところだった。
「オッパ?」
[あっ!あなた、]
彼は靴を急いで下駄箱に放り投げるように閉まった。
[ど、どうしたんだよ。]
彼はそう言った。
「ねぇ、オッパ昨日どこいってたの?」
私は彼の服を掴んでそう言った。
[と、とりあえず家入ろ]
私は彼の言われるまま靴を脱いで家へ入った。
[座って。]
私はゆっくりソファに座り、彼も隣に座った。
[ごめん。]
彼は座ってすぐにそう呟いた。
「なにが。」
[いや、別に浮気とかじゃないんだけど。]
[昨日は友達の家にいた。]
[スマホ充電切れて。ほんとごめん。]
彼は頭をゆっくり下げながらそう言った。
「友達って?」
[え?]
「あの人?さっきエレベーターにいた?」
「焼肉行った日、私が話した?」
そう問うと、彼黙った。
「オッパ?」
彼はため息をついた。
[別に。俺エレベーターに乗ってない。]
[ダイエットで階段で来たけど。]
その言葉に私は困惑した。
じゃああの人は?エレベーターに乗ってた人は?
「嘘。あれは絶対オッパだよ。」
「間違いないって。」
そう言われれば言われるほど、私の不安は高まった。
「ねぇ、本当のこと話して?昨日何してたの?」
私は彼に触れようとすると、思い切り手を払われた。
[俺が何しようと勝手だろ?]
[いちいち詮索すんなよ!うぜーんだよ。]
彼はそう怒鳴って冷たい顔で、玄関のサンダルを履いて出ていった。




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